これが恋だなんて信じないⅡ (ページ49)

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店長ページ49

舞台公演、稽古、オーディションなどを毎日毎日休む暇も無いままこなしていくうちに、私はある大事なことに気が付いた。

バイトができない

これまでも店長に言って、減らしてもらったりしていたけれど、スケジュール的に出られない週とかも出てきてしまった。あと、私自身、体力もある方ではないから疲労もあって、バイトが遅くまであった日の翌日が舞台公演だったりすると身体への負担がすごく大きい。

生活は、別にしていける。多分。親とか祖母に言えば少しくらいは工面してもらえると思うし、むしろ祖母なんかは身体が心配だからバイトをやめてほしいそうだ。

でも、うちのバイト先は少数で回しているから、私がやめたら少なからず穴ができる。お世話になったのに、申し訳ない。しかし、バイトができないことに変わりはない。今この中途半端な状態も、店長は全然いいよ〜って言ってくれるけど、私自身としては申し訳なさでいっぱいだ。

「店長、そういうことなんですけど……」

「ん〜なるほどね。ミッキーそんなことで悩んでたんだ。」

「店長に相談することでもないと思うんですけど…ごめんなさい」

そして、自分で悩みきれなくなったからと、店長に相談しているわけだが……申し訳ない…
気を悪くさせるかなって思ったけど、店長はいたっていつもの調子で「全然大丈夫〜」と返した。

「店のことは気にしないでよ。ミッキー自身のことの方が大事でしょ」

「いいんですか？」

「うん、やめたくないならやめなくてもいいけど、やめた方がいいと思うんならやめてもいいよ。俺自身、ミッキーのことは応援したいし」

「店長……ありがとうございます。」

正直、店長はそう言うと思ってた。よかった。本当に、感謝しかない。

「やめてからも、たまには顔出してよ。生存確認も兼ねて」

「ははは…わかりました。じゃあ、2月いっぱいまではここで働かせてもらいます」

「うん。本業頑張れよ〜。なんかあったら頼っていいから」

店長の温かい言葉を胸に、私は帰宅した。