これが恋だなんて信じないⅡ (ページ17)

今日:14 hit、昨日:7 hit、合計:57,134 hit

パンケーキの魔法1 ページ17

「うわぁ～～え、かわいい～」

運ばれてきた可愛いパンケーキを思わず写真に撮る。まあイマドキ女子みたいにインスタやってないから載せる場所とかないけど。思い出としてね。

チョコレートソースにたくさんの赤色のイチゴやラズベリー、クランベリーの実なんかが散らばっていて、映えててすごく可愛い。こういうのをインスタ映えって言うんだよな。知らんけど。
白を基調とした自然派な店内にはお菓子を焼く甘い香りが漂っていて、早く食べたい想いを駆り立てた。

コトっと音を立てて、目の前に座る宏規くんがコーヒーをソーサーの上に置いた。因みに、宏規くんの前には、コーヒー以外のものは無い。私……やばくない？思わず見比べる。

「宏規くんすごいね…」

「え、なにが？」

「いや、コーヒーだけ…」

「コーヒー飲めへんの？」

違う、そうじゃない。と思ったが、カップを持つ手が地味に萌え袖になってるのが可愛いので許す。

「確かに飲めないんだけど……私はなんでこんなカロリーの高いものを頼んでしまったのかって今頃になって自責の念が…」

「あっそういうことね。ま、いいんやない？女の子やし。俺はそんな甘いもの得意じゃないから」

女の子。多分これまでにも何度か言われているこの言葉は私の心を揺らすものだった。女子校育ちのせいで女の子扱いに慣れていないというのが正直なところだ。普通に照れる。

「女の子って言われるの普通に恥ずかしいからやめよ…」

「えっ、なんでなん。普通やない？」

「あー私中高と女子校だから男と接する機会もなくて、女の子扱いされた覚えがないんだよね。専門も1年しか通ってないし…しかもダンスや歌一筋だったからあんまり男と話さなかったというか」

「へ～そうなんや。そういうのに慣れてないのって可愛いと思うけどなぁ」

「！……朝も思ったんだけど、可愛いとか本気にするから言っちゃダメだよ…」

「えー本気なんやけど」

何言ってるのこの子(2回目)
男に慣れてない女子って一定数需要あるかもだけど統計的に共学女子の方が男に慣れてて立ててくれるから〜とかっていう理由で人気なんだぞ？！私には宏規くん以外の男を立てるのは無理だと思う。

顔赤いよな…と思いつつ、それを隠すために「いただきまーす」と言って、チョコのかかった1口分のパンケーキとラズベリーを口にした。