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次の日、私は昼休み屋上へ向かった。
ぽかぽかと気持ちのいい天気に思わず笑みがこぼれる。
「真桜」
「龍樹。プリント持って来た?」
「おう」
「見せて」
私たちは、2人で勉強をした。
太陽の光が眩しかった。
「真桜。サンキューな。いつも」
「ううん、いいよ」
「俺さ、すっげえどうしようもねえやつなのに、優しくしてもらって、ほんと感謝してる。」
「なに、また明日香に何か言われたの?」
「いや」
龍樹はただ問題児だけど、そうなったのには理由がある。
共働きの両親はいつも龍樹を放っていた。
だからグレていいってわけじゃない。
だけど、龍樹のさみしさもわかる気がした。
龍樹のバランスの取れない心は、まるで繊細なガラス細工のようだった。
龍樹は私の幼馴染だから、好きな人だから、こう思えるのかもしれない。
もし私たちが赤の他人だったら、私は龍樹のことを、他の子たちと同じように眉をひそめて見ていたかもしれない。
「龍樹。なんでそうなの?」
「は?」
「真面目になろうとか思わないの?」
「なにそれ」
「お前は俺に真面目になれっつってんの?」
龍樹の声が苛立った。
私は、龍樹に言ってしまった。
「龍樹が、みんなに眉をひそめられるところなんて見たくないの!!
私は龍樹がいい人だって知ってるもん!
文句なんか言われない人になってよ!」
勝手な言い分だ。
でも、本心だった。
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かぷりちお - コメントありがとうございます!亀更新ですが、完結は必ずしますので、気長に読んでくださると嬉しいです! (2018年8月24日 2時) (レス) id: 0810d4d9bb (このIDを非表示/違反報告)
G - 続き気になる (2018年8月22日 16時) (レス) id: cad32de435 (このIDを非表示/違反報告)
あいり - 続き書かれる予定はありますか、、、?設定が面白いので思わず読み入ってしまいました笑 (2018年8月22日 11時) (レス) id: 5cff57e74b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かぷりちお | 作成日時:2018年6月27日 19時