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「私ね、戸村くんとよく話したの。
Eクラスの子はよく怪我をしてここにくるから。
だからあなたたちが付き合ったって聞いた時、いい子を見つけたなって思ったの。
あなたなら戸村くんを変えられるんじゃないかって。」
そんなこと思われていたんだ。
私は先生の期待に答えられなかった。
「ごめんなさい」
「どうして謝るの?
謝る必要なんかないじゃない。
あなたは変えたわ。
戸村くんはやっと本気で守りたい人を見つけたの。
間抜けなことなんかじゃない。
愚かでもない。
大切な人を傷つけられて、だまっているなんてできるわけないじゃない。
だってあなたたちはまだ高校生なのよ。」
「そう、、ですかね?
そう信じていいんですかね。
私たちは、愚かじゃなかったって信じていいんですよね。
結局私は龍樹を傷つけてしまったのに。」
後悔がこぼれていく。
神田くんにも、龍樹にも。
嫌な思いばかりさせた。
それは私が優柔不断なせいで、私が弱いせいで、私が脆いせいだ。
「傷つけられても、それを許せる条件ってあるのよ。
例えばあなたは、悪意を持って傷つけられたとする。
それは許せないでしょう?
だけど、もし本人も望まなくあなたを傷つける結果になったとしたら。
もし相手があなたを傷つけることで自分もまた傷ついていたんだとしたら。
それは許すことができるんじゃないかしら。
あなたが傷ついているのも、真実でしょう?」
私たちは、傷付き合った。
それがを、もしも。
彼らが許してくれるのならば。
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かぷりちお - コメントありがとうございます!亀更新ですが、完結は必ずしますので、気長に読んでくださると嬉しいです! (2018年8月24日 2時) (レス) id: 0810d4d9bb (このIDを非表示/違反報告)
G - 続き気になる (2018年8月22日 16時) (レス) id: cad32de435 (このIDを非表示/違反報告)
あいり - 続き書かれる予定はありますか、、、?設定が面白いので思わず読み入ってしまいました笑 (2018年8月22日 11時) (レス) id: 5cff57e74b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かぷりちお | 作成日時:2018年6月27日 19時