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家に帰ってパソコンを開く。
小さなチップなのに重く感じた。
見てはいけない、と思う。
これを見られることを真桜は望んでいない。
だけど
沸き上がる怒りが俺を動かした。
真桜を傷つけようとした奴への怒りだけじゃない。
俺は。
あいつがそんなことになってるなんて知らないで、呑気にゲームして大口開けて笑って、テレビを見ていたんだ。
俺は、何がしたかったんだ。
傷つけただけだ。
神様がいるというのなら。
俺を地獄に落としてくれ。
俺は、あいつのためにじゃなく、自分のために復讐したい。
だって。
俺にはもうあいつのそばにいる権利なんてないから。
せめてあいつが俺から離れることを喜ぶように。
俺は最低な男になる。
そのために。
ごめん、真桜。
お前は見られたくなんかないんだろうけど。
わかってるけど。
これを見るよ。
出てきた画面の再生ボタンを、押した。
躊躇いなんて、しなかった。
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かぷりちお - コメントありがとうございます!亀更新ですが、完結は必ずしますので、気長に読んでくださると嬉しいです! (2018年8月24日 2時) (レス) id: 0810d4d9bb (このIDを非表示/違反報告)
G - 続き気になる (2018年8月22日 16時) (レス) id: cad32de435 (このIDを非表示/違反報告)
あいり - 続き書かれる予定はありますか、、、?設定が面白いので思わず読み入ってしまいました笑 (2018年8月22日 11時) (レス) id: 5cff57e74b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かぷりちお | 作成日時:2018年6月27日 19時