買われた 4 ページ6
『あ、あの、泉さんこれは……』
風呂から上がり、ダボダボの服といい香りを纏って私は出た。リビングらしき所にビクビクしながら向かえば、作り終えた料理がテーブルを埋めつくしていた。
そこまではまだいい。
モフモフのカーペットの上に正座した私の前に恐ろしいものが写ったからだ。
スーツケース片手に泉さんは、それをそっとなんなく開けた。
目に飛び込んできた物は、札束の群れ。
群れ。いや、札束の山？どちらにせよ恐ろしい
「は？あんたを買うんだからその分の金だけど？銀行近いから降ろしてきたの」
『こ、これ、ななな、何万…』
「軽く500万。なに、足りない？足りないならつけ足すよ。800万？一千万？それとももっと？俺なら最低でも」
『もう聞きたくねぇです!!300万で充分です！』
この人は本気か、あぁ本気なんだな。
少し冗談だと思ってた数分前の私を殴りたい。
耳を塞ぎ、私が生きている中で1番間近で聞くおぞましい金額に震えが止まらない。発作レベルだ。
「300万？それでいいの？それであんたが買えるの？」
『300万分が借金の額です！これで返済出来ますんで充分ありがたいです！！』
思わず衣更真緒もビックリな綺麗な土下座を披露すればニコリと笑った泉さんが言う。
「良かった、安くて」
…壮大な嫌味ですかね。
言われなくても可愛くも綺麗でもなんともない女なのは自覚済みである。セール価格100%と書いた値札貼られても文句は言えないぐらい安いものだ。
未だにふかふかのカーペットに頭を擦り付ける私の頭を満足気に撫でる泉さん。
「……ね、今どんな気持ちか教えて」
『…羞恥で死にそうです……。』
笑うなら笑ってくれたって構わない。
もう心はボロボロだから今更だ。
「でも、あんな所で灰になるよりかはマシでしょ。」
『…まぁ。こんなにも助けていただいて、何をお詫びしたらいいか…』
「お詫びって、あんたねぇ…。
そうだねぇ、あんたが傍にいてくれるだけで正直嬉しいよ。俺の我儘聞いて、傍に居て」
『……そんなんで、いいんですか？』
「俺がいいって言ってるんだから良いの」
正直、最悪の場合は体を売ることだって考えたんだ。だから、少し拍子抜けしてしまったのはある。
「……じゃあ、1つ目の我儘」
『？…は、はい！』
意気込んで返事をした私にクスリ、と笑った泉さんは不敵な笑みを浮かべて言った。
「今夜は、一緒に寝て欲しい」
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紅茶 - めっちゃ良いです！こんな小説まってましたっ！是非続きが読みたいです、これからも頑張ってくださいヾ(*･ω･*)ﾉ (2019年10月13日 20時) (
レス) id: dc12212b23 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - こんな神作品初めて見ました!!ヤバイくらいに面白いので、これからも更新頑張ってください!!!!! (2019年9月27日 11時) (レス) id: aed030ecf9 (このIDを非表示/違反報告)
黒。 - ななさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しい限りです！ご期待に添えられるように頑張ります！ (2019年9月13日 20時) (レス) id: d8cf0890ba (このIDを非表示/違反報告)
黒。 - お菓子なこいしさん» ありがとうございます！更新頑張りますね！ (2019年9月13日 20時) (レス) id: d8cf0890ba (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 神っすね！ヤバイですよこの作品！更新楽しみにしています！ (2019年9月10日 0時) (レス) id: cda48c16bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒。 | 作成日時：2019年8月24日 18時
