You and me...

彼の実家 ページ25

「ああ〜お風呂さいこー・・・」


ｼﾞｮﾝｳﾝが帰ってしまったあと。
私は彼の実家でお風呂を借りて、疲れを取っているところだった。


この言葉、あまり好きじゃないんだけど。
―疲れた。
朝からホントに疲れた。


引越し作業から始まって、
大事な友人のアキとお別れして、
日本を飛び立って韓国に戻ってきて。


きわめつけは―10年も片思いしてる人との再会。
心の準備・・・全然できてなかったっていうのに。
いろいろありすぎて、頭の中がどうにかなりそうだった。


でも、しっかりしないといけない。
私はこれからこの韓国で。
それももしかしたら、このｿｳﾙで暮らすことになるかもしれないんだから。


ただでさえ、ｼﾞｮﾝｳﾝは―Super Juniorっていう国民的アイドルで。
テレビとかで、日本よりもっと身近にその存在を感じることになる。
そのたびにいちいち昔の思い出に浸っていたら、身がもたない。


現に―ｼﾞｮﾝｳﾝは昔と全然変わらずに私に接してくれてたじゃない。
まるで、あの卒業式の日の夜の。
私の告白なんて忘れてしまったかのように。


「ホントに忘れてるんじゃないの・・・？ｼﾞｮﾝｳﾝなら有り得る」


私はお風呂の中で口唇を尖らせた。
気まずいのは嫌だけど、無かったことにされるのも悲しいと思った。


＊


「おばさん、お風呂先にいただきました」

「旅の疲れは取れた？もう遅いから、休んでちょうだい＾＾」


お風呂に着替えに・・・。
いくら幼馴染みの家族とはいえ―
至れり尽くせりで申し訳なくなる。


「今夜はお兄ちゃんの部屋のベッドが空いてるから、そこ使ってね＾＾」

「へっ？！」


それってｼﾞｮﾝｳﾝの部屋ってこと？！
思わず裏返った声が出てしまった。


「一応ね、こっちにもｼﾞｮﾝｳﾝの部屋があるのよ。
もっとも基本は宿舎での生活だから、ホントにたまにしか使わないんだけどね」

「あ・・・そっか」

「今日お布団干したところだったから、ちょうどいいわ〜＾＾」


おばさんはそう言って、私の手を引いてその部屋に連れてきてくれた。
ちょうど・・・いいのかな？
一応男の子の部屋だよね？


ｼﾞｮﾝｳﾝの部屋に、ｼﾞｮﾝｳﾝのベッドか・・・。


「あはは・・・」


今夜。
寝れんのかな・・・アタシ。

ｼﾞｮﾝｳﾝの部屋→←変わらないもの-YS

ラッキーアイテム

革ベルト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す