Tonight, tonight.

雲の上はいつも晴れ-YS ページ40

今日の衣装でセルカを撮り忘れたことをふと思い出して。
俺は一度脱ぎかけていた毛皮つきのコートを再び纏い直して、自分を満足いくように撮った。
さらにはそれを・・・わずかにだが加工した(笑)


着替え終えると、食事の前に一服したい衝動を我慢できなくて。
だけど「SJ御一行様」という張り紙があった、あの控え室ではそうするわけにもいかず。
ロビーならば喫煙所があるだろうと思って足を運んだ。


だがまずそこに行くまでに・・・またしても道に迷った(笑)
どうにも広すぎるんだ、このホテル。
なんとか自力でそれらしき場所に辿り着くも、そこはスーツ姿の男たちで溢れかえっていて。
さっきのイベントの招待客たちか・・・考えることはみな同じ、だな。


いくら着替えたとはいえ―さすがにあの中に混ざるわけにはいかないと思ったから。
俺は胸の内で舌打ちをしながら、仕方なしに来た道を引き返したのだった。


その道すがら、用足しにトイレに寄って。
一流ホテルらしく、すみずみまで掃除が行き届いているそこの洗面台で。
ミラーセルカを・・・撮った(笑)
そして撮ったからには。それをSNSに更新した(笑)


このころには、さすがにメンバーたちのもとに向かわなきゃまずいだろうと思ったんだが。
やっぱりここには、人の感覚を惑わす妖精がいるみたいだ。
すでに妖精の魔法にかかった俺が、そう簡単に目的地まで辿り着けるわけがない。


メンバーたちが、ケータリングを楽しんでいる一室に着くまでに。
最終的には、ホテルの従業員3人ほどに声をかけた。


その3人のうち、親切にここまで案内までしてくれた若めの女が。
どうやら俺たちSJのファンだったようで・・・握手を求められた。
そして「ﾄﾞﾝﾍさんにずっと応援してますって伝えてください！」と、伝言まで賜った(笑)


以上、が。
俺がここに至るまでの経緯なんだが―。


SD「ｲｪｿﾝﾋｮﾝ〜今までどこ行ってたんだ＞＜」

YS「んっ・・・ちょっと、な」


そのいきさつを全て話すのはメンドクサイ・・・のと。
言えば最後、間違いなく兄弟たちにサムい目で見られると踏んだから。
俺はｼﾝﾄﾞﾝの詰問を曖昧な返事で濁し、後頭部を掻いた。


それよりもだ―


YS「んーー？何してる」


来たはしから、唐突に飛び込んできた―謎の光景。


それまでの状況なんざ、まるで知らなかった俺は。
うちのマンネが・・・メンバーたちの目がある中、大胆にも。
A、を。


口説いてるように見えちまった。

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