Tonight, tonight.

WINE ページ34

KH「んっ。いい香り」


どうやらよっぽど飲みたかったのか。
ｼｳｫﾝに注いでもらっていたワインのグラスに〜嬉しそうに鼻を近付けているｷｭﾋｮﾝ。
ニヤっと一度笑ったあとは、すぐにそれを喉に流し入れていた。


うーん、この子もずいぶん美味しそうに飲むこと。
その飲み方も様になってる。


RW「ねぇ、ところでｲｪｿﾝﾋｮﾝがまだ来ないけど。どうしたのかな」

SM「そういえば。着替えてたにしても〜ちょっと遅すぎるね」


お腹がふくれて、少し気分が落ち着いたらしき子たちがようやく。
未だ姿が見えないｼﾞｮﾝｳﾝくん・・・ｲｪｿﾝを気にし始めて。
でもそのわりには、あんまり慌ててる感じじゃない？


KI「アイツのことだから、どこかで迷ってるんじゃないのかぁ？」


まるでそれが「いつものこと」って口ぶりでｶﾝｲﾝがそう言って。
私もホントにそんな気がしてくる。


だって。


「あの〜私、探してきましょうか？」

LT「ええっ？！」

「ｲｪｿﾝさん。本番の前も会場まで行くのに迷ってたみたいだったので；」


一応、そのことも耳に入れてあげると。
はぁ〜〜と大きなため息をついて、うんざりしたような顔になるメンバーたち。


LT「ｲｪｿﾝ・・・アイツ；」

EH「俺たちの控え室からあの会場までさ。そんな複雑だったっけ；」

KI「フツーなら迷わないだろ」

KH「ｶﾝｲﾝﾋｮﾝ。あのｲｪｿﾝﾋｮﾝですから」

DH「うん。スーパー方向音痴」


ｼﾞｮﾝｳﾝくんとはもう気心知れた仲なんだろうけど〜ひどい言われよう；
ちょっとそれはないんじゃないの〜？
確かに・・・あそこで迷子になってた彼は、私もものすごく不思議だったけども(笑)


「そ、それじゃちょっとそのあたり見てきますから・・・」

LT「そんな、いいですよ！」

「でも・・・これも仕事ですし〜」

LT「いやいや！そうだｷｭﾋｮﾅ、お前ちょっとｲｪｿﾝのこと見てきてやって！」

KH「はぁっ？！」


ｲﾄｩｸに急に話を振られたｷｭﾋｮﾝが、心の底から嫌そうな声を出して。
ｼﾞｮﾝｳﾝくん・・・か、かわいそ；；


だけど。


KH「わ、わかりましたよ・・・見てきます」


お兄さんたちの集中的な視線にひるんだのか。
どうやらそうしてくれる気になったみたいなんだけど―その次の瞬間。


DH「ほら〜行った行った！」

KH「うわっ・・・たぁ！！」


ドン！と背中を押されたｷｭﾋｮﾝの手の中にあったグラスの。
真紅の液体が―こちらに向かって宙に舞うのを私は見た。

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