Tonight, tonight.

犬のように走るアンダーグラウンド-KH ページ32

「あの特別ステージで、お客様たちとっても喜ばれたと思います＾＾」

LT「そ、そうですか！そう言ってもらえると〜僕らも歌った甲斐がありましたぁ」

「最後に笑ってもらったのもそうですし〜あとは歌そのものも素晴らしかったですから」

LT「ホントですか！実は選曲ですごく頭を悩ませたんですよ〜2曲だけという話だったので」


僕たちを過剰に丁重に扱う、というわけでもなく。
だけども大人の対応に慣れているというか、気さくで感じのいい女性スタッフ？に。
すっかり気を良くしたのかﾄｩｷﾞﾋｮﾝが熱心に話し込んでいる。


これ、彼女の仕事の邪魔になってないのかな？
そして僕たち口も挟めないんですけど・・・食事は・・・？
美味しそうなものたちがズラリと並んでるのが、すでに視界の先にあるっていうのに。


KH「・・・」

KI「・・・ゴクッ」

DH「・・・腹減った＞＜」

EH「ﾄｩｷﾞﾋｮﾝ、話長ぇ〜〜・・・老人かよ；」


エサを前にして待ったをかけられた犬の如く。
僕たちは飼い主からやや距離をあけたところで、ただひたすら食欲と格闘していたわけで。


だけど。


LT「ああ、そうだ！歌といえば〜マイクの件もありがとうございました。
代わり見つけるの大変でしたよね？！」


ﾄｩｷﾞﾋｮﾝからのそんな話題転換に。
つい先ほど、僕も気になっていたことを思い出す。


そうだった。
この人〜イベント本番の前に。
ｲｪｿﾝﾋｮﾝの立ち位置の、音の出なかったマイクの代わりの調達までしてくれてた。
そんな裏方の雑用みたいな仕事までやるってことは〜ここのホテルの人？どっちなんだ。


ふとそんな思案を巡らせたとき。


「マイクの件は〜ちょっとこちらも想定外だったんですけど；
でも良かったです。ｼﾞｮﾝｳ・・・あ、ｲｪｿﾝさんにきちんと歌って頂けたので＾＾」

LT「んっ。あれ・・・？そういやそのｲｪｿﾝはどうした？」


言われて、僕ら弟たちは一度きょとんとして。
きょろきょろと周辺を見渡してみた。


・・・けど。


DH「いなーい！」

EH「いいよ、ｲｪｿﾝﾋｮﾝは！それより俺たちもうここのメシ食べていいだろっ＞＜」

SD「もう待てない！！」

LT「お、お前たち・・・；」


犬だって、人間だって。
空腹のときはどうしても凶暴になるもんで(笑)
ホントにおしゃべりはその辺にして、まず食事にしませんかぁ？


それが僕らのためであり。
多分、仕事中であろう彼女のためでもあり。


ｲｪｿﾝﾋｮﾝのためかどうかは知らない。

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