Tonight, tonight.

同級生はセレブリティ？ ページ4

YS「・・・？！」

「っ！！」


とあるホテルの、とあるイベント会場。
関係者や従業員しか、足を踏み入れることができないスペース。


そのちょっとした通路で。
バッタリって具合に。
彼はどうかわからないけど〜私はよく知ってる。


SJの「ｲｪｿﾝ」という名で有名になった―ｷﾑ・ｼﾞｮﾝｳﾝくんが。
すぐ目の前にいて。
急いでいたはずの足が立ち止まってしまう。


「あ・・・の」

YS「・・・」


真正面の男の人の顔から、目が逸らせずに。
バカみたいにパクパクと口をあけっぴろにしている私。
そして、その向かいの彼も。
豆鉄砲で撃たれたハトみたいな表情をしている。


わ、わ、やっぱり。
ｼﾞｮﾝｳﾝくんだ！


高校のとき以来だから〜実にもう10年以上ぶり？
そのｼﾞｮﾝｳﾝくんと。
同窓会でもないのに、まさかこうしてこんなところで再会できるなんて―


って！


「ひっ、久しぶり！ｼﾞｮﾝｳﾝくん！！」


何秒間、そうして固まってかは知らないけど。
ようやく・・・私にしてみれば、けっこうな勇気で。
そう声を振り絞ったところで。


YS「ん・・・んーー・・・」

「あっ・・・；」


ｼﾞｮﾝｳﾝくんのどこか所在なさげな反応に。
自分でも自覚できるくらいに、顔がカーーっとなる。


私・・・さっきからひどい汗。
T-シャツは背中に張りつくぐらいだし。
穿いてるジーンズも〜てか、私の顔とか髪だってきっとホコリだらけ。


その一方でｼﾞｮﾝｳﾝくんは。
今日の衣装なのか、首周りに毛皮のついたロングのコート。
そんなハイブランドの服装がよく似合う―いかにも有名人って感じの姿で。


かつては同じ学年の、同じクラスだった間柄ながらに。
こうして同じ空間にいながらに。
今はもう。
私とは・・・全くの別次元にいる人のように思えた。


だけど。


YS「んっ・・・あーー・・・んーー」

「・・・え？」


彼と違って、見苦しいまでのいでたちの私を無視するわけでもなく。
ふわ〜〜っと居心地悪そうに細い目を泳がせるｼﾞｮﾝｳﾝくん。


やだ・・・いくら久しぶりだからって。
やっぱり声なんてかけたら迷惑だった？


そんな不安に駆られかけたとき―


YS「ちょっと待ってくれ。今・・・思い出せそうなんだ；」

「あ、私？！」

YS「ん(笑)」


どこか思い悩んでるように見えた―ｼﾞｮﾝｳﾝくんは。
どうやら私の名前を思い出そうとしてくれてたみたいで(笑)


でも、私という同級生のことは。
一応は覚えててくれたのか・・・な？

魔法にかけられて-YS→←イレギュラーはレギュラーで

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