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必要としていたのは俺だけだったようだ。

必要とされたいと思っていたのは、


俺だけだったようだ。




男だったものに触れながら、
泣きじゃくる母に憎悪を抱いた。

俺はなんで、こんな女のために
自分の手を汚したのか。


一度、人を殺めてしまった。


じゃあさ、





一度も二度も変わんないよね。






俺は先程まで握っていた包丁を
また握った。

大好きだった。

母さんが大好きだったんだ。



でもごめんね。

俺は今の母さんを好きになれない。

だから俺は、








母さんを殺した。




真っ赤になった母さんは動かなくなった。






「こらこら。そんなに刺さないの。」

「……誰だお前。」





窓から侵入してきたであろう人物が
話しかけてきた。

紫色の羽織を着た人は俺の持っていた包丁を
取り上げる。

きっとこの人が話しかけてくれなかったら
ずっと母を刺していたかもしれない。





「俺は竜胆 ななもり!君は?」

「…桃地 さとみ……」

「そっかそっか、さとみくんね。
ご依頼でここに来たんだけど、君が依頼主?」

「なんのこと…?」

「あれれ?じゃあ"桃地 リサ"ってお母さんかな?」

「母さんが依頼ってどういうことだ…?」





依頼ってなんだ。

まずこの人は何者なんだ。


ふわりと微笑む彼はどこか落ち着くような
雰囲気を纏っていた。





「桃地 リサさんからのご依頼。
"息子を守ってほしい"って簡潔に言われててね?

来てみたら、君が殺しちゃったんだね。」

「……母さん…」





母さんは俺の異変に気づいていたんだと思う。

あの男に対して
きっとなにか分かっていたんだ。



ごめん……母さん…

俺、早く気づいてれば母さんはまだ……






「ねぇ、さとみくん。」

「……なに。」

「良ければ、うちに来なよ。
直にここに俺の部下がこの死体の回収に来る。

俺が君を保護するよ。
それに君もうちに来た方がいい。

警察に行くよりマシでしょ?」




正論だった。

俺は、ななもりさんの手を取って


彼について行くことにした。





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めあり(プロフ) - キララさん» キララさん何作品もありがとうございます〜…!!(∩ω∩*`) (2021年2月16日 23時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
キララ - 3つ目も楽しく読ませていただきます! (2021年2月16日 23時) (レス) id: 97464f7e6f (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 蝶花さん» わわわ!ありがとうございます!頑張りますっ! (2020年12月7日 17時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
蝶花 - 更新待ってます! (2020年12月7日 15時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 冷凍みかんさん» コメントありがとうございます!素敵なお言葉、光栄でございます!!頑張ります! (2020年12月6日 10時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めあり | 作成日時:2020年12月2日 22時

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