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「それ、何持ってんの?」

「毬」

「……は??」


ゆうちゃんはぽかんとした。

私の方がぽかんとしたいよ。





朝学校に来る途中に、ボブカットの先輩となぜかずっと目を瞑っている先輩に声をかけられた。


『昨日は私の投げた毬が頭に直撃したそうじゃのう』

『相方がすまなんだ』

『詫びにこれをやろう』


と一方的に用件を告げられ、嵐のように去っていった。





「で?毬をもらったの?」

「いえす」


ぽんぽん、と毬を手で弄ぶ。

いや、これすごく固い。こんな固いものが頭に当たったのか。

たんこぶめっちゃ痛かったんだけど……。


まあ、完治したけどね!!!!!



「なんかさー、前世の知り合いと関わると怪我してる気がするんだよねー」

机に顔を押しつけながら愚痴る。



「へー」

「このまま関わり続けたらいつか死ぬ気がする」

「それはさすがにないでしょ」


ソウダトイイナー。

口をぶるぶるさせた。




ゆうちゃんが「あ」と声を漏らした。


「そういえば部活どうする?」

「あー、どうしようかな」


美術部入りたいけど…でもなあ……。



私が悩んでいると、ゆうちゃんは顔をぐっと近づけて、ぱっと花が咲いたように笑った。


「A!美術部に入ろ!」

「うん」


あまりの可愛さに無意識に頷いた。

けどはっと我に返る。



「いや、でもね」

「顧問は宇髄先生じゃないよ」

「入ります」


やったあ!!!!

なら、なーんの心配もないじゃないか、うふふ!!!!


始業のチャイムをぼんやり聞きながら、ニマニマと緩む顔を手で押さえた。







「環少女!」


廊下を歩いていると名前を呼ばれた。

嫌な予感しかしなくて、グギギとぎこちなく振り返る。


そうですね。私の事をそうやって呼ぶ人はあなたしかいませんよね。

煉獄先生がいた。



「……なんでしょうか」

引きつる頬の筋肉を無理やり持ち上げて、申し訳程度に笑った。


なんだよ!!なんなんだよ!!!

私のクラスの教科担当じゃないだろ!!

喋りかけるなください!!!!



「これを一緒に社会科準備室に運んでくれ」

「はい……分かりました」


渋々受け取ろうと手を伸ばした。



「煉獄先生!私たちが運びましょうか?」

鈴の音みたいに可愛らしい声が聞こえた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , キメツ学園   
作品ジャンル:アニメ
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彩羽_Iroha.(プロフ) - 雛子さん» そうだったのですね…!教えて頂きありがとうございます!これからも応援しています!良かったら仲良くさせていただけませんか…?m(*_ _)m (2019年11月5日 0時) (レス) id: 5b9a02ba17 (このIDを非表示/違反報告)
雛子(プロフ) - 彩羽_Iroha.さん» ありがとうございます!背景画像の水玉模様のことでしょうか??デザイン設定の背景画像で選んでます!これは2ページ目にあります〜 (2019年11月4日 18時) (レス) id: 3004313f3e (このIDを非表示/違反報告)
彩羽_Iroha.(プロフ) - こんにちは!はじめましてです。内容も最高でした、やっぱりキメツ学園いいなあ〜。ちなみになんですけど、背景のやつってどうやってますか、? (2019年11月1日 23時) (レス) id: 5b9a02ba17 (このIDを非表示/違反報告)
雛子(プロフ) - 鬼滅Loveさん» 笑ってくださって嬉しいです(照)頑張ります!! (2019年9月2日 23時) (レス) id: 3004313f3e (このIDを非表示/違反報告)
鬼滅Love - え?なんですか?最高すぎません?笑いすぎてお腹痛いです!続きが早く見たいです!頑張ってください。 (2019年9月1日 23時) (レス) id: 001f58aed0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雛子 | 作成日時:2019年8月7日 16時

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