生まれ変わったらクズでした……３

眉間にシワ ページ44

伊黒side

あれから三人で飯を作って

皆で食べた

普段とは、全然違うな

一人で飯を食べて一人で過ごす

それが日常

寂しくも何ともないつもりだが

獪岳が元に戻ったら

変わってくるのだろうか

伊黒
「まったく、甘露寺と一緒に
気持ち良さそうに寝おって…」

羨ましい……

獪岳(A)
「……んぅ、おとうさん」

…！寝言か

本当に小さいな

可愛いらしい手だ

伊黒
「なんだ？俺に何用だ？」

頬を指先でつつく

頬も柔いな、子供とは皆こうなのか

これは癖になりそうだ

獪岳(A)
「んん？……おはよ？」

しまった、起きた

伊黒
「まだ、起きるような時間ではないぞ？」

獪岳(A)
「ん〜、おとうさんは？」

伊黒
「俺は、まだ寝なくていい」

と言うか、甘露寺が俺の家で

寝てると思うだけで寝れん

獪岳(A)
「……じゃぁ、おれ、も、ねな…い」

眠たそうにしてるように見えるが？

伊黒
「…寝ろ」

背中をポンポン優しく

甘露寺がしていたみたいに

獪岳(A)
「…で…………も」

俺の服を掴んで寝ないように

必死に目を擦っている…半目なのも可愛いな

……なんだろう、不思議だ

甘露寺以外にもこんなに可愛いと思うなんてな

胡蝶が見たら「親バカですね！」とか

言ってきそうだ……いや、言うな胡蝶なら

獪岳(A)
「おと……さん…と、おき……る」

強情だな

伊黒
「ほら、寝ろ」

布団に寝転がす

さっきみたいにポンポン優しく

獪岳(A)
「……、………すぅ」

ようやく、寝た

眉間にシワなんて寄せて

まだ子供なんだから、それはマズイだろ

撫でれば治るか？

伊黒
「……治れ、治れ」

ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

獪岳(A)
「…？……？？」

余計に眉間にシワがよる

くすぐったいみたいだ

どうしたらいい？

もっと、撫でればいいのか？

伊黒
「シワ、治れ」

ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

獪岳(A)
「……？」

甘露寺
「…ふふ！……ごめんなさい」

…！甘露寺、起きていたのか！

甘露寺
「あ、あんまりにも可愛くて……つい」

伊黒
「……い、いや、別に気にしてない」

甘露寺
「ふふ、本当に可愛い二人とも素敵」

可愛いは、君だ！

なんだ、その笑みは！女神か？女神だな！

甘露寺
「こうしてると本当の家族よね私達」

伊黒
「…！……甘露寺？」

甘露寺
「このまま、家族で居られたら幸せよね」

伊黒
「そうだな」

本当にそうなれたら幸せだろう

甘露寺
「なら、私達は家族ね！良かった！
伊黒さんも同じ気持ちで」

……甘露寺

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