対処法101 ページ10
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プルル‥‥
一つ目のコール音が鳴り終わらない内に応答音がして、そこからつんざくような声が聞こえた
【Aお姉さん、今どこっ!?】
「こんばんわ、名探偵?」
【!?___怪盗キッド!?】
「随分焦っていますね」
【お前、なんでAさんの電話にっ‥‥Aさんは!?】
「おや、怖い怖い‥‥いつもの貴方らしくありませんよ? 名探偵。私は無実だというのに‥‥
可愛らしい姫君が下劣な者に襲われていたのでね、お助けしただけですよ」
【!!! おい、お前、今どこに!】
「いつもの手口はどうしたんですか名探偵‥‥大丈夫ですよ。貴方が来るまで、姫君はしっかり護衛するので」
何か叫んでいるコナン君の声を丸っきり無視したキッドはブチッと通話を切ると、私にスマホを渡す
『ひ、ひええぇ』
「名探偵は随分と熱烈な、貴女の
キッドが手を口元に当ててクスクスと笑う。恥ずかしい!恥ずかしい!!! めっちゃ女扱いされてる、はっず!
それに、コナン君があんなに必死に私の事を心配してくれたのがびっくりした。あの様子だとストーカーが二人いたことに気づいたんだろうか?
なんだか本気で切羽詰まって心配してくれて、まるで劇場版の時みたいな感じで‥‥
『ふんっ!!!』
「!?」
ベッチーン!!
大きな音を立てて自分の頬を平手打ちした私に、キッドがぎょっとする。いやいやいや、私何調子のってんの!? コナン君がそんな劇場版レベルで私の事心配してくれるとかあり得なくない!? 無しよりの無しよりの無しじゃない!?
ってあれ
『う、‥‥なん、か。頭が』
「貴女、怪我をしているんじゃないですか? 自分で自分をこれ以上傷付けてはいけませんよ」
さっきヒカリに庇われたときに打ち付けた頭がぐわんと揺れる。ピリピリとした痛みを感じる所からして、こぶでもできてるかもしれない
キッドが苦笑しながら指を一つ鳴らすと、その指先から真白の上掛けが現れた。ふんわりと肩にかけられ、私は今の自分のボロボロの姿を思い出す
上掛けは暖かくて滑らかで、自分を守ってくれる気がした
「お嬢さん。大変無粋な事を聞くようですが、あの下劣な男と面識は?」
『‥‥いえ、ないんです。ストーカーされてて。訳もわからなくて』
キッドは少し考え込む様な仕草をした後、私に向かい直った
「誰かに相談は?」
『‥‥実は、もう一人いて。片方のストーカーが捕まったから油断してて‥‥‥‥まさ、か。もう一人いるなんて夢にも思わなくて』
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あ - 面白くて一気見した者です、もう更新されないんですね、この感じだと……。残念です (5月4日 12時) (レス) id: a4dff3124d (このIDを非表示/違反報告)
レモン - めちゃおもろいです!!夢主ちゃんの性格大好きです!更新楽しみにしてますっ! (12月12日 10時) (レス) @page43 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (11月14日 20時) (レス) @page43 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - イヤァァァァアオワッタ好きですで (9月18日 15時) (レス) @page43 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
猫目 - すごく好きです (7月15日 14時) (レス) @page43 id: 5daa8eb0a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんず | 作成日時:2019年12月28日 20時