対処法112 ページ21
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起きよう、寝ちゃいけないと思うのに意識はどんどん沈んでいく
『‥‥ね、むい‥‥‥‥』
鈍痛とまどろみの中、最後に見たのはヒカリの宝石の様な青だった
____
__
あ、そうだ。バーボン買うなら
これこれ! スコッチも一緒じゃなくちゃね
駄目だよ猫ちゃん。好き嫌いはしちゃ
どっちも私がすっごく大事にしてるお酒なんだからね
. ____ にゃあ
___
__
静寂の音がする。
無音のなかには音なんてないだろと思うかもしれないけど、静けさの中にも音はある
静かすぎて、耳が痛くなるほどの静寂な空気のなかに、密やかに流れる音だ
その空気のなかに、何かがさざ波みたいにささやいている
「____て__だな__」
「___いろ__わる__し」
何の音?
「でも__たな__まま__じゃ__」
「__がない__すか___おい」
いや音じゃない
これって‥‥
「__おい、起きて!」
声?
眠くて重く沈む瞼をゆるやかに押し上げた
電気がおとされて暗くなった部屋
窓から落とされる青白い明かりが、私の寝てるベッドから床にかけて光をのばしている
その床に、二本の足があるのを見つけた
え?
背筋が凍る。そのまま恐る恐る視線を上に向けた
シルエットの長い足、薄青色のパーカーについたフードが頭に被さっている
そのフードの中が月光に照らし出され、かろうじて表情が見えた
額にこぼれるやや茶色ががった黒髪
二重まぶたの縁が睫毛に飾られた、切れ長のつり目は驚くほど静かな青色
此方を覗きこんでいるその顔、は
「あ、よかった。起きた!」
『‥‥‥ヒ‥‥』
クールに見えたその顔立ちが、ぱっと笑顔に変わる
もしかして、いやもしかしなくても間違いなく
『__ひぎゃああああぁぁあああぁっっ!!!!』
「うおっ!?」
元公安所属、降谷零の幼なじみにして故人であるはずの
スコッチこと諸伏景光が私を見下ろしていた
____
__
『くぁwせdrftgyふじこlp』
「ほんと、俺が悪かったから‥‥頼むから一度落ち着いてくれ」
無茶言わないで欲しい
何がどうしたら私の部屋にスコッチがいるのだ
お、おおおお推しです。好きです。いや違うそうじゃない。今はそれどころじゃない
『あばばばばばば』
「本当に頼むから‥‥!」
むりむりむり無理茶漬け。とても落ち着けやしない
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あ - 面白くて一気見した者です、もう更新されないんですね、この感じだと……。残念です (5月4日 12時) (レス) id: a4dff3124d (このIDを非表示/違反報告)
レモン - めちゃおもろいです!!夢主ちゃんの性格大好きです!更新楽しみにしてますっ! (12月12日 10時) (レス) @page43 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (11月14日 20時) (レス) @page43 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - イヤァァァァアオワッタ好きですで (9月18日 15時) (レス) @page43 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
猫目 - すごく好きです (7月15日 14時) (レス) @page43 id: 5daa8eb0a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんず | 作成日時:2019年12月28日 20時