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対処法109 ページ18

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「あのさ、同僚が、自分のせいで大切な時期に嫌がらせ受けてて、しかもストーカーもされてたなんて、後から聞かされてどう思うか分かるか?」


『ぴっ』


なんでストーカーのこともバレてんねーん!!!!

私がすっと顔を青ざめさせると、真咲さんさどうしようもない馬鹿を見る目になった

「コナン君から教えて貰った」

『コナン君〜〜〜〜!?』

まッッじか盲点だった。同僚とコナン君が連絡を取り合ってた伏線がまさかこんな所で回収されるなんて。超絶いらない伏線回収だわ

私が口をパクパクさせると、真咲さんは深いため息をついてうなだれる。その拍子にパラパラと前髪が目の上にこぼれた


会議室の白い蛍光灯の灯りが、真咲さんの表情に落ちる影を深いものにしている

前髪に遮られて差し込む光の量がぐっと減り、薄暗くなった真咲さんの切れ長の目は悔しげな色をしていた


「‥‥‥いや、悪い。‥‥さっきのは、取り乱した。俺には一ノ瀬を怒る資格なんてない」

『え』

「嫌がらせだって俺のせいだし、ストーカーに気付いてやれなかったのも俺の落ち度だ。ああいうのって、側に人がいると激化したりするだろ‥‥‥それなのに考え無しにお前に詰め寄ったりして。そのせいで危ない目にあったりしなかったか」

『‥‥ぃや、だいじょうぶ、です』


「それなら、いいんだ‥‥いや、よくはねぇな。何とかできなかったんだ。何も、よくはない」

尚も硬い声で続ける


「‥‥‥確かに、気付けなかった俺や周りの落ち度だ。これは。でも、それでもさ、気付かせないように隠すっていうのは、ちょっとばかし酷くないか」

『あ‥‥』


真咲さんは、その目に激しい感情をよぎらせると、今度は落ち着いた声で言った


「俺は、一ノ瀬、お前の事を買ってるよ。短期間でここまで登ってこられたのも、なるべくしてなったと思ってる。それは普段のお前を見てるからだ。そういう人間はさ、分かるんだよ。こういう業界では尚更顕著だ」


私を立ち上がらせた後、真咲さんは私を見る。さっきの目は何だったのかと思うほど、酷く凪いだ瞳だった


「もう、隠したりすんなよ」

『ひゃい‥‥』


凪いだ目に叫びだしたくなるような切なさをじんわりと滲ませた同僚を見て、Noと言える度胸は私にはなかった



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- 面白くて一気見した者です、もう更新されないんですね、この感じだと……。残念です (5月4日 12時) (レス) id: a4dff3124d (このIDを非表示/違反報告)
レモン - めちゃおもろいです!!夢主ちゃんの性格大好きです!更新楽しみにしてますっ! (12月12日 10時) (レス) @page43 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (11月14日 20時) (レス) @page43 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - イヤァァァァアオワッタ好きですで (9月18日 15時) (レス) @page43 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
猫目 - すごく好きです (7月15日 14時) (レス) @page43 id: 5daa8eb0a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんず | 作成日時:2019年12月28日 20時

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