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対処法106 ページ15

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「なぁ、なんか言ったらどう?」


普段の彼の声からはほど遠く、驚くほどに淡白だ


「ち、ちがうの、真咲くん‥‥」


「俺はそういうのが聞きたいんじゃないんですよ先輩。ウチの一ノ瀬について、貴方達がやって来た事を聞いてるんです」


そのセリフで初めて、自分が話の渦中にいることを知った


真咲さんの声は抜き身の刃物のような雰囲気をまとって、女性はそれに慌てている


「あ、あれは一ノ瀬さんを指導してただけで」

「‥‥ははッ」


いい募った女性は真咲さんの乾いた笑い声に肩を震わせた。私も背筋を強張らせる。真咲さん、あんな声出せたの


「こんな状況になっても言い逃れできると思ってる、その根性だけは買ってあげますよ。ほんっと‥‥大したお気楽さだ」

「んなっ」

「二週間前、資料を捨てる。一ノ瀬のロッカーを荒らす。あぁ後は‥‥データを無理やり書き換えたりしてましたね」


体裁上は敬語をとっていても完全に侮辱の言葉に女性は顔を真っ赤にしたが、そのつぎに続いた言葉に顔をサッと青くする


「その次の日には上司にあらぬことを言い立てたり。わざとデータをシャットしたり‥‥へぇ、これなんか手がこんでますね」

「ぁ、‥‥そ、の」

「ここに証拠っていう材料はあるんですよ。それも気付かずに、本当に頭が足りないんですね」

可哀想だ、と手に持った紙をヒラヒラさせながら冷ややかな声でいった真咲さんに、背筋に氷がかじりつくような感触を覚えた

触れれば簡単に切り捨てられてしまいそうだった

「‥‥で、も‥‥真咲君、が」

「俺?」

その瞬間に、冷ややかだった空気が膨れ上がり、怒気に変わった

ひっ、と息を飲んだのは誰だったか。先輩が私をそっと後ろに下がらせる

「俺? 俺が、なんですか? まさか俺が原因とか言いませんよね。嫉妬だなんて、そんなティーンみたいなちゃちな感情でここまでしたなんて、まさかそんな馬鹿な事言いませんよね?」

真咲さんが一歩迫る。女性の方はもはや泣き出していた

「ほら、答えてくださいよ。どうしてこんな事したんですか? 先輩の事だ。きっとご高尚な理由があっての事なんですよね‥‥何とか言えよ」


敬語が外れて、声がぐっと低くなる。真咲さんは怒りを必死にこらえている様だった

「アンタ達が俺をストーカーした時、俺は警察に届け出はしなかったし、辞職沙汰にもしなかった。でも、それは一度だけだ。いやむしろあの一度でも許すべきじゃなかった。アンタ達には倫理観が欠如してる」


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- 面白くて一気見した者です、もう更新されないんですね、この感じだと……。残念です (5月4日 12時) (レス) id: a4dff3124d (このIDを非表示/違反報告)
レモン - めちゃおもろいです!!夢主ちゃんの性格大好きです!更新楽しみにしてますっ! (12月12日 10時) (レス) @page43 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (11月14日 20時) (レス) @page43 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - イヤァァァァアオワッタ好きですで (9月18日 15時) (レス) @page43 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
猫目 - すごく好きです (7月15日 14時) (レス) @page43 id: 5daa8eb0a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんず | 作成日時:2019年12月28日 20時

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