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第捌話 ページ9

その探偵さん?は

「よし、もう見たいの終わったから社長とお菓子食べてくるー。」

なんて言って何処かに言ってしまった。社長室だろうか?社長と呼ぼれている人がお菓子なんて一緒にたべていいのか?それにしても自由な人だなぁ。

「おい、そこの少年。」

背の高い木蘭色の髪の眼鏡さんが立っていた。声が低く、呼ばれて思わず肩が上がってしまった。
この人は怒ると怖いんだよな。......ん?なんでこの人が怖いって思ったんだ?あ......。

「大丈夫かい? 少年、上の空のようだけど。」

蝶の髪飾りをつけた肩上の、ボブカットというやつだろうか?綺麗な女性がいた。確かこの人、医......者だなぁ。

「だっ大丈夫です。依頼があって。」

とりあえず深呼吸をして、落ち着くことにする。心配されるのは嫌いだし、話を続けよう。
僕は心配されるのが嫌いなのか、ここにいると自然と情報が多く頭に入ってくる。
認めるしかないな。

僕は成功してしまった。とある事に。成功しては行けないことをやってしまった。バレたら怒られるだろうな。まぁ、その時に僕は......。

止められていたのにね。あーあ。ここまで来てしまってはきちんとしないとね。
僕はそっと息を吐いてポケットの中の時計に触れる。確定かなぁ。

「あ、カルメ君。大丈夫?」

そこには、中島さんが僕の顔を覗き込んでいた。

「もう大丈夫です。」

上手く笑えているだろうか。ちゃんとしよう。来てしまったからには仕方ない。その為には怪しまれぬように、自分を隠す。それしかないと思った。

「あ、木目菓子(バームクーヘン)と駄菓子、ありがとうございました。凄く美味しかったです。」

「いいよ、全然。なんか前と雰囲気変わった?」

あれ?意外と気づかれてしまった。白虎特有の野生の勘ってやつだろうか?まぁいいや、隠してしまえばいい。

「そうですかね? 全然変われてないですよ。嗚呼、僕は探偵社に、依頼をしに来ました。」

僕は上手く表情を動かせただろうか。

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作者名:六花 | 作成日時:2020年3月1日 0時

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