真の楽園とは、 (ページ8)

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第漆話ページ8

『武装探偵社』というのは、交差点の奥の大きめのビルディングの中にあるらしい。確か4階って言っていた気がする......。

探偵社のドアは見たことが何度か、否、何百回もあるような気がした。そんな訳が無いのに。
ノックを3回、否、世界共通では4回だっけ？でも日本は3回だよね。『コンコンコン』と軽やかにドアの木目を3回叩いた。

「どうぞ。」

女の人だろうか？そこにはセーラー服のお姉さんが立っていた。この人も探偵だろうか？いかにも普通に女子高生に見えるのだが。

「えっと、依頼の方ですわね。こちらへどうぞ。」

そう言われ、僕は一角のスペースの応接間、というより応接間のセットと言うべきの、簡易的なスペースに案内された。

「え、カルメ君！？」

そこに居たのはなんとも心優しい、中島さんだった。嘘でしょ。探偵社で働いてるのかよ。

「ほら、敦。言っただろ、絶っつ対来るってさ！」

そこに居たのはいかにも探偵らしい服装の少年だった。その人の机を見ると、山のように積まれたお菓子があった。わお、感が当たった......。
ということは、なるほど、この人は......。それらまた別として、糖尿病にならないんですか？と思う程に。すると探偵らしき少年は立ち上がり、僕のことをビシッと指を指し、

「君！僕は26歳、だから君が思っているような歳じゃない！それにお菓子はいくら食べようが、この天才的な頭脳を使うから病なんてかからないの！」

......凄いな、この人。僕は声に出した、若しくは顔に出したか？この人が探偵で、主軸なんだろうな。この人は無邪気という言葉が良く似合う。
どんなことをされても『仕方ない』で済ませるような。きっと立派な人なんだろうな。