第拾壱話 ページ12
「それで、どうやって親戚の子を探すの？」
そう言った中島さん。
「僕、異能を持っているんです。」
「え？」「は？」
中島さんと国木田さんが見事にハモる。凄いな、僕もいつかやってみたいな。.........あ、僕は無理か、
もうすぐ僕は居なくなるし。おっといけない。
2人とも、まだポカンとしてる。
「えっと、大したものでは無いんですけど、なんて言うんですかね。物の.........対象の何か、物や人から三人称視点で何があったかを見れるって感じですかね。あっ、監視カメラみたいな感じです。」
これでいいかな、僕の時代の約束。自分の異能を無闇に言わない、まぁこの説明はセーフかな？
「だから、詳細さえ分かれば探すことは出来るんです。なので、探偵社の皆さんには僕の親戚の詳細というか特徴を調べて欲しいんです。」
「なるほどな、じゃあ、太宰治という男を探せるか？顔だけはいいが、背がやたら高くて胡散臭い奴だ。敦、太宰の写真はあるか？」
「あ、あります。」
敦先輩はそう言って書類を持ってきた。おそらく、履歴書だろう。何枚か写真がクリップで止められている。その写真は真面目なものは1枚あるが、他のはピースサインをしていたり、舌を出して巫山戯ている写真が多い。このひとはダブルピース似合うな。
「此奴が太宰だ。馬鹿っぽい印象だが、これでも一応探偵社員なんだ。しかし此奴は仕事をサボってどこかの川でも流れてるんだろう。」
..................なるほど、変わっていないのか。ずっと未遂を繰り返して。何を思っているのだろう。
「地図、ありますか。ヨコハマ全域でなくていいので。」
終わり
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作者名：六花 | 作成日時：2020年3月1日 0時
