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第49話 エマ
横山side
仄暗い部屋の中。
吐息と互いの素肌がぶつかり合う音が響く。
俺としげ…
いや、俺とエマは昔からそういう関係やった。
◇
《回想》
『………』
渋谷「ムスッとしよって。可愛くないな。」
出会いは繁華街のクラブやった。
ボーイでジャスバンドのラッパ吹きをしとった俺と、
ホステスの送迎係で親友のす ばる。
渋谷「血の繋がりは無いんやけど、妹が金に困ってんねん。ここで働けんやろか?」
横山「未成年やろ?んなもん、社長に直接交渉せぇや。」
突然切り出してきたのが全ての始まり。
す ばるによく似た愛想の悪い16歳のガキ。
それが第一印象やった。
まぁ、愛想悪いのは人見知りなだけで、
話すうちに打ち解けていくんやけどな。
ある日、
『なぁ、裕くん?イクってどっな感じ?』
横山「はぁ!?何言うとんねん!?」
『教えてや…』
エマには友達に騙されて背負った借金があった。
だから、稼ぐにはアフターも行かなと、エマは焦っとった。
『頼れる人、裕くんしかおらんねん。』
横山「やめろ。俺、お前に手出したら仕事クビになんねん。」
『内緒にするから。お願い。』
エマの圧に根負けして、俺はエマと関係を持った。
まぁ、内緒なんて守れるはずが無く、
二人揃って呆気なくクビになった。
学が無い俺らは定職に付けるはずがなく、
雨風しのげる程度の安いアパートで同棲を始めた。
そして、エマが二十歳を迎えた年やった。
『裕くんとの赤ちゃんが出来たみたい。下ろした方がええかな?』
不安そうに聞いてきたけど、俺の中ですぐに答えは決まった。
横山「俺、今よりも良い仕事探すから、産んで欲しい。」
『ありがと。裕くん、大好き。』
横山「やからさ、金貯まったら結婚式挙げよ?」
『絶対やで。』
そして、エマは無事に元気な男の子を出産した。
けどその5日後、子供と共に俺の元から消えた。
す ばるに聞いても、わからんと言う。
それから9年、俺はずっとエマを探しとった。
◇
横山「何でなん?………何でエマと同じ匂いがすんねん。」
しげの匂いを嗅いで気づいてもうた。
あぁ、エマはずっと俺の傍におったんや。
気づいてあげられんくて、ごめんな。
to be continued……………
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るびぃ(プロフ) - 渡海さん» ありがとうございます!グループらしさを出したくてハルカスを選んでみました! (2021年10月31日 3時) (レス) id: a7df9901fc (このIDを非表示/違反報告)
渡海 - 更新お疲れ様です!巨人をあべのハルカスに例えるシゲが、センス抜群でめっちゃ面白かったです。これからも楽しみにしております!! (2021年9月28日 12時) (携帯から) (レス) id: f6711a1d35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るびぃ | 作成日時:2021年9月17日 13時