検索窓
今日:26 hit、昨日:27 hit、合計:20,511 hit

#2-49 ページ50

第49話 エマ

横山side

仄暗い部屋の中。
吐息と互いの素肌がぶつかり合う音が響く。




俺としげ…
いや、俺とエマは昔からそういう関係やった。



《回想》
『………』
渋谷「ムスッとしよって。可愛くないな。」




出会いは繁華街のクラブやった。
ボーイでジャスバンドのラッパ吹きをしとった俺と、
ホステスの送迎係で親友のす ばる。






渋谷「血の繋がりは無いんやけど、妹が金に困ってんねん。ここで働けんやろか?」
横山「未成年やろ?んなもん、社長に直接交渉せぇや。」





突然切り出してきたのが全ての始まり。
す ばるによく似た愛想の悪い16歳のガキ。
それが第一印象やった。
まぁ、愛想悪いのは人見知りなだけで、
話すうちに打ち解けていくんやけどな。





ある日、

『なぁ、裕くん?イクってどっな感じ?』
横山「はぁ!?何言うとんねん!?」
『教えてや…』





エマには友達に騙されて背負った借金があった。
だから、稼ぐにはアフターも行かなと、エマは焦っとった。






『頼れる人、裕くんしかおらんねん。』
横山「やめろ。俺、お前に手出したら仕事クビになんねん。」
『内緒にするから。お願い。』






エマの圧に根負けして、俺はエマと関係を持った。
まぁ、内緒なんて守れるはずが無く、
二人揃って呆気なくクビになった。
学が無い俺らは定職に付けるはずがなく、
雨風しのげる程度の安いアパートで同棲を始めた。





そして、エマが二十歳を迎えた年やった。






『裕くんとの赤ちゃんが出来たみたい。下ろした方がええかな?』






不安そうに聞いてきたけど、俺の中ですぐに答えは決まった。






横山「俺、今よりも良い仕事探すから、産んで欲しい。」
『ありがと。裕くん、大好き。』
横山「やからさ、金貯まったら結婚式挙げよ?」
『絶対やで。』





そして、エマは無事に元気な男の子を出産した。
けどその5日後、子供と共に俺の元から消えた。
す ばるに聞いても、わからんと言う。
それから9年、俺はずっとエマを探しとった。



横山「何でなん?………何でエマと同じ匂いがすんねん。」






しげの匂いを嗅いで気づいてもうた。
あぁ、エマはずっと俺の傍におったんや。
気づいてあげられんくて、ごめんな。








to be continued……………

この小説の続きへ→←#2-48



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
90人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

るびぃ(プロフ) - 渡海さん» ありがとうございます!グループらしさを出したくてハルカスを選んでみました! (2021年10月31日 3時) (レス) id: a7df9901fc (このIDを非表示/違反報告)
渡海 - 更新お疲れ様です!巨人をあべのハルカスに例えるシゲが、センス抜群でめっちゃ面白かったです。これからも楽しみにしております!! (2021年9月28日 12時) (携帯から) (レス) id: f6711a1d35 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:るびぃ | 作成日時:2021年9月17日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。