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第45話 キミタカ
重岡side
二人を見て、急に立ち上がった横山くん。
横山「あ。そろそろ戻らな！工場長、厳しいねん。」
逃げるように去ろうとする横山くんを、
今度は濱田が杖で引き止めた。
濱田「待て。」
横山「なんや。話すことなんて無いぞ。」
濱田「こっちはある。」
横山「今更なんやねん！？いい歳して、若作りしよってキショいんじゃ。こっちはな魔法の無い、ルンペルシュテルツキンの息子でも何でも無いこの世界で、俺は自由になったんや！」
は？なんて？
濱田「おい、キミタカ！」
横山「そんな古臭い名前で呼ぶなや。横山裕、それが今の名前。」
そんなことあるんか……？
横山くんは濱田がずっと探しとった息子。
「横山くーん、もう仕事終わったん？」
また声がする方を向くと、見知らぬ男が横山くんに手を振っとった。
横山「…なんやねん。大倉か。」
大倉「なんやねんって、釣れんヤツやなぁ。仕事は？」
横山「休憩中。」
大倉「だれ？友達？そろそろ戻らんと、あの工場長めんどくさいやん？」
横山「せやな。しげ、悪いな。また。」
重岡「お、おん。また。」
そう言って、横山くんは仕事に戻って行った。
濱田のことは睨みつけるだけで、完全に無視しとった。
大倉「なんか邪魔してもうてすんません。」
重岡「いや、別に。」
大倉「俺は大倉忠義。横山くんのマブ。」
作業着姿の横山くんに対して、
小綺麗なビジネスマンスタイルの大倉さん。
大倉「お連れさんは家族？」
重岡「………みたいなとこかな？濱田さんと…」
智洋「神山智洋です！」
重岡「ホンマは中間やんけ。」
大倉「………中間智洋くん言うんやね。よろしく、智洋くん。」
横山くん、こんな格好良い友達おんねや。
大倉「あんま、じっと見んなや。照れてまうやろ。」
重岡「あ、すんません。」
好青年に見つめられたら勘違いしてまうわ〜。
とケラケラ笑いながら、大倉さんはふと何かを思い出した。
大倉「せや。俺、今夜横山くんと飲みに行くんやけど、重岡くんに譲るわ。積もる話あるんやない？」
重岡「え、そんな悪いですよ。」
大倉「ええの。ええの。俺はまた誘えばええし。」
俺は大倉さんのお言葉に甘える事にした。
大倉「８時に工場前な。」
◇
濱田「重岡くん、あとは任せたよ。」
重岡「ちゃんと聞いてくるから。二人は串カツでも食いに行ったらええやん。」
智洋「うん……」
８時前、濱田と智洋を置いて俺は宿泊先を出た。
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るびぃ(プロフ) - 渡海さん» ありがとうございます！グループらしさを出したくてハルカスを選んでみました！ (2021年10月31日 3時) (
レス) id: a7df9901fc (このIDを非表示/違反報告)
渡海 - 更新お疲れ様です！巨人をあべのハルカスに例えるシゲが、センス抜群でめっちゃ面白かったです。これからも楽しみにしております!! (2021年9月28日 12時) (携帯から) (レス) id: f6711a1d35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るびぃ | 作成日時：2021年9月17日 13時
