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#2-42 ページ43

第42話 濡れ衣と依存

中間side

俺が安田先生をねぇ…
恨む理由なんて、これっぽっちも無いのに、
誰かが俺を陥れたいんやろう。
誰かって、誰?
小瀧?重岡?藤井?…まさか智洋?



グイッ





滅多に飲まないウィスキーをストレートのまま喉の奥へと流し込む。





ピンポーン





中間「…誰やねん。」





モニターを見ると…




中間「智洋?」





どないしたん?鍵忘れたんか?
扉を開けると、飛びついてきた智洋。






智洋「パパ!」
中間「どうした?いつも、こんな甘えてこぉへんやん?」
智洋「安田先生、見つかったよ!」
中間「おぉ!ほんまか!どこにおったん?」






ふと、目が合った智洋の瞳に光は無かった。





中間「…智洋?」
「パパを陥れたのは私。」
中間「え?」






突然、何を言うんや?と思いきや、理由はすぐに分かった。






中間「智洋ちゃうやろ?誰や?」
「流石やね。ジュンちゃん。」





呼び名に一気に背筋が寒くなった。
すると目の前に稲光が落ち、
智洋だった人影は、自分と同じくらいの背丈の男へ変わり、
その正体が母上だと気づくのに時間は掛からんかった。







中間「は、母上。」
丸山「お互い、母娘と呼べる見れくれちゃうけどな。」






フンと鼻で笑うと、続けてこう切り出した。






丸山「あなたの力になりたいんや。」
中間「は?」
丸山「智洋やっけ?すっかり実の親に懐いてもうてるもんな?取り返したいんやろ?」
中間「それは…」
丸山「苦しいのは私も同じ。ジュンちゃんの良い親になれへんかったこと、とても後悔しとる。」






え…………?







丸山「本当は、あなたが選んだ人と結婚させるべきやった。ごめんな、ジュンちゃん。」
中間「母上……」






一生聞くと思えんかった母上の謝罪に、
勝手に一つ二つと涙が零れ落ちる。






丸山「辛かったな…ずっと苦しかったなぁ……」
中間「ウッ……ウウウッ、母上ぇぇ!!」






抱きしめられたその胸は温かかった。

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るびぃ(プロフ) - 渡海さん» ありがとうございます!グループらしさを出したくてハルカスを選んでみました! (2021年10月31日 3時) (レス) id: a7df9901fc (このIDを非表示/違反報告)
渡海 - 更新お疲れ様です!巨人をあべのハルカスに例えるシゲが、センス抜群でめっちゃ面白かったです。これからも楽しみにしております!! (2021年9月28日 12時) (携帯から) (レス) id: f6711a1d35 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るびぃ | 作成日時:2021年9月17日 13時

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