ワンス・アポン・ア・タイム〜おとぎの森は西の町〜シーズン2

#2-30 ページ31

第30話 再会

《回想》
中間side

アキトとの再会は案外すぐやった。





アキト「なぁ！」
ジュン「あっ………」





心臓が高鳴った。






アキト「この間はありがと。また会いたいと思っててん！君さ、名前は？」





名前…きた。
叔父上の言う通りに答えた。







ジュン「…マリアンヌ。」
アキト「可愛ええ名前やな。」







また会いたいってどういう意味や？
金品か？身体か？






アキト「あのイヤリングのおかげで、親のおらん腹ペコのチビ達に、飯食わせてあげられた。命の恩人にまた会いたかってん。マリアンヌも、盗人なんやろ？」






盗みなんて、そんな失礼な！と怒鳴りそうになったが、
下がり眉でこっちを見るアキトの瞳には勝てなかった。







ジュン「……まぁね。」






アキトは親のいない子供達の住処や、
親友のコージに会わせてくれた。






アキト「俺ん家は、この先にあるシャーウッドの森。あそこはマルコ妃の衛兵も追っては来れん。」






母上は煌びやかなドレスや装飾に囲まれとる一方で、
庶民はこんなに苦しい生活をしてるなんて…
叔父上が困っとったのにも納得がいく。






ジュン「なぁ、この国って王女が裕福な国に嫁いだら、良くなるんやろうか？」
アキト「無理やな。あの王女、マルコ妃の犬やん。」







そっか。
私、母上の犬やったんか。
心のもやが吹っ切れた。

#2-31→←#2-29

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す