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第17話 魔法の豆
濱田side
濱田「邪魔するで。」
「誰だよ、お前。」
濱田「お前が持ってるという魔法の豆を貰いに来た。」
「へぇ、いい度胸だね。さぁ、決闘だ。豆か命、二つに一つだよ。」
俺は魔法を得てから、比べ物にならないくらい強くなった。
それでも、こいつもなかなか手強い。
『やめて!お願いだから、ケンティー!』
声がした先にいたのは、出て行った妻やった。
濱田「へぇ。お前、ケンティーって名前なんや。」
ケンティー「言ってなかったっけ?俺の名前は、ナカジマ ケント。君は、ルンペルシュテルツキンでしょ?アイツから聞いてるよ。臆病者の腰抜けだって。ほら、お目当ての魔法の豆はここですよぉ〜。」
ヤツは俺に魔法の豆をチラつかせた。
濱田「臆病者かぁ…ハハッ。おもろいなぁ。」
ザクッ
ザクッ
『うっ…』
ケンティー「ぁぁァ!!!!!!」
俺は短剣で妻の心臓を一突きし、
魔法の豆を握っていたヤツの右手ごと切り落とした。
濱田「おお…これが魔法の豆か。」
落ちた右手は海に投げ捨ててやった。
ワニの餌くらいにはなるやろう。
ケンティー「おまっっ!ふざけんな!」
濱田「右手の代わりにフックでも付けときゃ、多少はマシやと思うで。じゃあな、間男さん。」
俺は魔法の豆を握りしめて、息子の元へ急いだ。
濱田「やったぞ!魔法の豆を手に入れた!二人で人生やり直そう!」
俺はさっそく、魔法を地面へ投げた。
すると、強い光を発した大きな風穴が広がる。
怖いもの知らずの息子は、その風穴に足を掛けた。
「魔法の無い世界に、おとんも早く行こう!」
しかし、俺は風穴に怖気付いてもうた。
「おとん?早くしないと消えちゃうよ!」
息子は戻ろうとした瞬間、
足を滑らせて繋いでいた手が離れてしまった。
「おとん!おとーん!」
すぐにその手を掴めば間に合ったかもしれへん。
けど、最後の最後で俺の臆病が勝ってしまった。
濱田「はっ!」
手を伸ばすも時すでに遅し。
光る風穴は、息子を飲み込んで、消えてしまった。
濱田「くそぉぉぉ!!!!」
辺りを見渡しても、もうどこにも無かった。
◇
俺が呪いを解きたかった理由。
あの日生き別れになった息子を探しに行くこと。
せっかく外に出ても、息子の顔も名前を思い出せなくては意味が無いんや。
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るびぃ(プロフ) - 渡海さん» ありがとうございます!グループらしさを出したくてハルカスを選んでみました! (2021年10月31日 3時) (レス) id: a7df9901fc (このIDを非表示/違反報告)
渡海 - 更新お疲れ様です!巨人をあべのハルカスに例えるシゲが、センス抜群でめっちゃ面白かったです。これからも楽しみにしております!! (2021年9月28日 12時) (携帯から) (レス) id: f6711a1d35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るびぃ | 作成日時:2021年9月17日 13時