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#2-17 ページ18

第17話 魔法の豆

濱田side

濱田「邪魔するで。」
「誰だよ、お前。」
濱田「お前が持ってるという魔法の豆を貰いに来た。」
「へぇ、いい度胸だね。さぁ、決闘だ。豆か命、二つに一つだよ。」




俺は魔法を得てから、比べ物にならないくらい強くなった。
それでも、こいつもなかなか手強い。





『やめて!お願いだから、ケンティー!』





声がした先にいたのは、出て行った妻やった。





濱田「へぇ。お前、ケンティーって名前なんや。」
ケンティー「言ってなかったっけ?俺の名前は、ナカジマ ケント。君は、ルンペルシュテルツキンでしょ?アイツから聞いてるよ。臆病者の腰抜けだって。ほら、お目当ての魔法の豆はここですよぉ〜。」





ヤツは俺に魔法の豆をチラつかせた。





濱田「臆病者かぁ…ハハッ。おもろいなぁ。」






ザクッ

ザクッ





『うっ…』
ケンティー「ぁぁァ!!!!!!」






俺は短剣で妻の心臓を一突きし、
魔法の豆を握っていたヤツの右手ごと切り落とした。






濱田「おお…これが魔法の豆か。」





落ちた右手は海に投げ捨ててやった。
ワニの餌くらいにはなるやろう。






ケンティー「おまっっ!ふざけんな!」
濱田「右手の代わりにフックでも付けときゃ、多少はマシやと思うで。じゃあな、間男さん。」





俺は魔法の豆を握りしめて、息子の元へ急いだ。






濱田「やったぞ!魔法の豆を手に入れた!二人で人生やり直そう!」





俺はさっそく、魔法を地面へ投げた。
すると、強い光を発した大きな風穴が広がる。
怖いもの知らずの息子は、その風穴に足を掛けた。





「魔法の無い世界に、おとんも早く行こう!」





しかし、俺は風穴に怖気付いてもうた。





「おとん?早くしないと消えちゃうよ!」




息子は戻ろうとした瞬間、
足を滑らせて繋いでいた手が離れてしまった。




「おとん!おとーん!」




すぐにその手を掴めば間に合ったかもしれへん。
けど、最後の最後で俺の臆病が勝ってしまった。




濱田「はっ!」




手を伸ばすも時すでに遅し。
光る風穴は、息子を飲み込んで、消えてしまった。




濱田「くそぉぉぉ!!!!」




辺りを見渡しても、もうどこにも無かった。



俺が呪いを解きたかった理由。
あの日生き別れになった息子を探しに行くこと。
せっかく外に出ても、息子の顔も名前を思い出せなくては意味が無いんや。

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るびぃ(プロフ) - 渡海さん» ありがとうございます!グループらしさを出したくてハルカスを選んでみました! (2021年10月31日 3時) (レス) id: a7df9901fc (このIDを非表示/違反報告)
渡海 - 更新お疲れ様です!巨人をあべのハルカスに例えるシゲが、センス抜群でめっちゃ面白かったです。これからも楽しみにしております!! (2021年9月28日 12時) (携帯から) (レス) id: f6711a1d35 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るびぃ | 作成日時:2021年9月17日 13時

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