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#2-16 ページ17

第16話 闇の短剣

濱田side

それからしばらく経ったある日、
妻は酒場で出会った海賊と不倫関係となっていた。


『あんな臆病者、もううんざり。貴方と一緒になりたいわ。』
「じゃあ、一緒に航海に出ようよ。」


俺以外に女の顔を見せる妻と間男に憎悪が芽生えた。
そんな時やった。



濱田「なんやこれ?」


あの短剣を拾った。



ゴゴゴゴゴゴ…



濱田「うわうわ、何?」




紫色の煙が立ち込めると、黒ずくめの男が真っ直ぐ俺を睨んでいた。
俺は腰が抜けてしまって身動きが取れない。



濱田「やめろ…やめてくれ…」



“あんな臆病者、もううんざり。”



どうせ、俺は臆病者や。
妻に見捨てられ、息子もこんなおとん嫌いやろうな。
そして、ここで化け物に襲われてジ・エンド。
俺らしいっちゃ俺らしい。




濱田「でも、俺…こんな無様でええんやろうか?」



ふと、不自由になった左足を見る。
その隣に、さっき拾った短剣を見つけた。



濱田「く、喰らえ!!」



俺は一か八かで、短剣を化け物の胸目掛けて刺した。


ドスッ

ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!



化け物は唸り声をあげると、粉々になって消えていった。



濱田「やった…やったぞ!…ん?」



短剣にはあの化け物の名前なのか、“ゾソ”という文字が書かれていた。
しかし短剣は光だし、“ゾソ”から“ルンペルシュテルツキン”へ名前が変わっていた。
すると、体中からみるみるエネルギーがみなぎっていく。
比べ物にならない位、体力が増し…



濱田「これは!魔法やないか!」



魔法を操れるようになった。
すると、俺は町の恥から最も恐れられる権力者へ上り詰めた。
散々バカにしてたヤツらが、俺にビビって頭を下げる姿は愉快やった。


しかし…


「おとん、お願いやから魔法はもう使わんといて!ルンペルシュテルツキンの息子ってだけで、みんなが離れていくんや…」



息子は孤独になっていた。
そして、妻はもう家に戻らなくなっていた。



「なぁ、魔法の豆って知ってるか?」

ある日、酒場で飲んでた盗人にこう聞かれた。

濱田「いや…」
「それがあると、不老不死の異世界に行けるんだとよ。」




異世界か…
俺は思った。
ルンペルシュテルツキンの存在を知らない世界に行けば、息子と幸せに暮らせるんやないかと。
盗人によると、港にいる海賊がその豆を持っているらしい。



濱田「っっ…」




持ち主はすぐ見付かった。
妻をそそのかした間男やった。

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るびぃ(プロフ) - 渡海さん» ありがとうございます!グループらしさを出したくてハルカスを選んでみました! (2021年10月31日 3時) (レス) id: a7df9901fc (このIDを非表示/違反報告)
渡海 - 更新お疲れ様です!巨人をあべのハルカスに例えるシゲが、センス抜群でめっちゃ面白かったです。これからも楽しみにしております!! (2021年9月28日 12時) (携帯から) (レス) id: f6711a1d35 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るびぃ | 作成日時:2021年9月17日 13時

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