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第13話 医師の預言
小瀧side
《回想》
「お腹の子は悪魔や。姫が見た夢は正夢となるやろう。いずれ災いが、二人の身に降り掛かる。」
おとぎの森での医者ってのは、
お祈りとか呪術で病気を善くしていこうといったやり方。
「竜の卵って知っとるか?いかなる災いも身代わりになってくれるらしいで?」
◇
私がエマを身篭っていた当時、
クインスと名乗った医者が、
私たちに竜の卵探しを勧めたんやった。
全ての記憶を思い出した今、
町長さんはクインスとよく似てる。
でも、声が別の誰かに似てる気がすんねん。
それがまだ思い出せへん。
誰やろう?
藤井「なぁ?このベルなんなん?」
ハッ!!
せやった。
ジュンちゃんが火災報知器を鳴らして、そのまんまや。
小瀧「行くで!」
藤井「どこに?」
小瀧「エマたちを助けるんや。」
東館の精神科に着くと、とっくに鍵を手に入れたジュンちゃんが待ち構えとった。
小瀧「ごめん。遅くなった。」
中間「のんちゃん………その姿。」
小瀧「戻った。全部。」
中間「おかえり。流星も。」
藤井「おう。寝起きやがら、だりぃ。」
桐山「そんな王子に差し入れ。好物やって聞いたけど?」
そう言って、キンキンに冷えたエナジードリンクを差し出すロビンフッド。
小瀧「え。まって。桐山さん、死んだはずじゃ……」
桐山「おん。ここのは死んだって聞いた。」
藤井「だぎゃーす。ゴクッ…………ゴクッ……………ってことは、ここじゃない桐山さん?……あっ、こぼれた。」
桐山「飲みながら話すなや。まぁ、そんなとこ。違う世界線から来たんや。」
そんな二人を見てると、
左手薬指に指輪が光っとった。
小瀧「えっ?ジュンちゃん、指輪……」
中間「うん。」
小瀧「ホンマに?おめでとう!!お祝いせなな!」
中間「ありがとう。全部上手くいったら、智洋としげにも祝ってほしい。」
小瀧「絶対助けよ!みんなでお祝いしようや!」
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作者名:るびぃ | 作成日時:2023年1月22日 21時