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さっきまで血のように赤い夕焼け空の下にいたと思っていたのに、いつの間にか元居た森に立っている。
あれからどれぐらい経ったのか分からないが、すでにスロースの姿はなく、森は静寂そのものだった。
仁人「瑞生…？何寝てるんだよ…。こんなとこで寝てたら、風邪ひくぞ…」
仁人と琉弥の足元で、赤い水溜りの上で瑞生は横たわっていた。
その体や地面、木々には、何度も何度も切り付けられた、無数の切り傷の跡がある。
しかし、その腕に大事そうに抱えられていた水晶玉には、傷一つ付いていなかった。
仁人「なぁ、起きろよ…瑞生…。お前が寝坊するなんて、らしくないじゃないか…」
仁人は、赤い水溜りの上に膝をつくと、瑞生の体をゆすった。
その体は、とても冷たい。
仁人の後ろでは、琉弥が何も言わず、肩を震わせて涙を流している。
仁人「瑞生…、返事しろよ…！なぁ！」
しかし、瑞生は目を閉じたまま、何も答えない。
でもその表情は、どこか穏やかに見えた。
勇斗「仁人！琉弥！やっと見つけた…！」
すると、足音と共に、森の中をボロボロな姿の勇斗と舜太が走ってやってきた。
舜太「大丈夫やった？！こっちはもう、散々や…。あいつ、めちゃくちゃ強くて、結局逃がしてもうた…。っていうか琉弥どうしたん？」
勇斗「仁人？どうした…？何かあったのか？！」
何か様子がおかしい。
琉弥が涙を流しているのを見て、勇斗は仁人に駆け寄る。
仁人の陰で見えなかったが、血まみれで横たわる瑞生の姿が勇斗の目に飛びこんできた。
勇斗「瑞生…？！お、おい、仁人！」
仁人「…」
舜太「う、嘘やろ…？瑞生君が…死ん―」
仁人「うるさい！！！」
仁人は、舜太の言葉を遮って、聞いたことがないぐらいの大声を張り上げた。
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年8月5日 16時
