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七輪 ページ8

活動が終わって皆と一緒に外に出る。
そう言えば、稲野ちゃんと鈴原さんを待たしてるんよな。
二人はどこにいるんやろ?
時間的に遠い場所には行ってない筈やしな。
と思ったら。
う「お、ギターの音。」
ぽ「しかもこの曲、聞いた事あるんだよね。
何だっけ?名前出てこないー。」
テ「Star☆tricKの<箒星>だね。」
ぽ「そうだ!スタリックだ!思い出した。」
そう言えば生徒会室のちょうど真下は、確か軽音楽部の部室やったな。
じゃあ稲野ちゃんが使ってるんかな。
って事は、鈴原さんも一緒にいるんかも。
テ「それにしても本当に上手いね。
誰が弾いてるんだろ?」
あ「…憶測ですけど、私の友人です。」
何度か生で聴かせて貰った事があるが、
あの弾き方と同じ様な音使いだ。
う「そっか。稲野ちゃんは確か軽音部だったね。」
「…稲野ちゃん…?」
う「学校内バンドのギター担当の男子だよ。」
「ああ、彼ですか。」
や「ギターに聴き惚れてる所悪いけど、
そろそろ帰るよ!日が暮れちゃうからね!」
ぽ「はーいっと。」
あ「あ、じゃあ私は友人を迎えに行きます。」
や「分かった。気を付けて帰ってね。」
あ「はい。では失礼します。」
そう言い残し、私は生徒会の集まりから離脱した。

下の階に降りて軽音楽室に向かってみると、
やはり彼らがその場所を使っていた。
折角弾いている所を邪魔するのも悪いと思い、
ドアの窓から二人を見つめた。
弾き終わり、鈴原さんから拍手を受ける稲野ちゃん。
その嬉しそうな彼の表情を見て、
私はほんの少しだけ寂しくなった。
でも、何なんやろか。
稲野ちゃんは一番の親友やし、鈴原さんは出会ってすぐに友達になって。
二人共大事な友人の筈やのに。
あの二人だけで何かをしている所を見るのは
何故だか心苦しく感じる。
その時。
稲野ちゃんが私に気付き、手を振ってきた。
それにつられて鈴原さんも、私に対して手を振ってくる。
私は軽く手を振り返し、ドアを開けた。
稲「何だ。終わったなら連絡くれれば良かったのに。」
あ「楽しそうに弾いとるのに、邪魔出来んよ。」
稲「その位気にしなくて良いよ。ただの暇潰しだし。」
あ「鈴原さん、稲野ちゃんのギターどうやった?」
『スッゴイ上手!ワタシ、感動!』
彼女は興奮した様子で、私に訴え掛けた。
あ「そっか。そろそろ出ないけんね。」
稲「俺、職員室寄るわ。鍵返さなきゃいけねえし。」
あ「了解。じゃあ行こうか。」
『Oui!』
鞄を持った二人と一緒に、私は部室の外に出た。

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螢羅(K-Ra)(プロフ) - 緑月翡翠さん» いつもありがとうございます!フランス語を取り入れるのは初めてだったのですが、書いていたら楽しくて楽しくて…!毎日更新、出来れば良いんですけどねえ…。貴重なご意見ありがとうございます! (2017年4月20日 7時) (レス) id: 575549c323 (このIDを非表示/違反報告)
緑月翡翠(プロフ) - 完結おめでとうございます!フランスや花言葉は私も大好きで、とても良かったです…!読者としては毎日更新が嬉しいのですが、ご多忙なようなので時間があれば、という形がいいと思います。次作も楽しみにしています!長文失礼しましたm(__)m (2017年4月20日 6時) (携帯から) (レス) id: b835eb55b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年3月3日 20時

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