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五輪 ページ6

『…パス!』
え!?この局面で!?
あ「良いん?」
『Oui!』
何か考えでもあるんかな。
稲「じゃあ…。」
少し考えてから、稲野ちゃんは八を二枚出す。
これで稲野ちゃんのターンが継続。
でも珍しいな。
何も場に出されとらん所に八を、しかも二枚も出すなんて。
次に稲野ちゃんが出したのは、最高位の二。
そこからクイーン、キング、エース、ジョーカーを繰り出す。
革命だ。
数字の位が入れ替わり、次に出したのはクイーン一枚。
チャンスとばかりに、鈴原さんが七を一枚繰り出した。
稲「パス。」
お互い出せなくなった所で、鈴原さんのターン。
彼女は二、エース、キングを一枚ずつ出して稲野ちゃんを見る。
稲「パス。」
また?まさか、後は大きい数字しか無いんじゃ…?
彼女がキングを二枚出しても同じ反応だった。
そして鈴原さんが最後の一枚を出し、無事に上がる。
『アルト!ワタシ、勝っタノ?勝っタノ!?』
あ「…あ、うん。鈴原さんの勝ちやな。」
『Fooo!イナノに勝ッター!』
嬉しそうにはしゃぐ彼女からそっと離れ、
稲野ちゃんの下に向かう。
そして、小声で一言。
あ「稲野ちゃん、わざと負けたやろ?」
稲「…何の事やら。」
彼は悪戯っ子の様な笑みを浮かべながら、そう答えた。
稲「でも、悔しいなあ。」
あ「負けたんは手抜いてたからやろ?」
稲「違えよ。ALTO君に負けたから。」
あ「私かい!
…それにしても、稲野ちゃんは優しいね。」
稲「煩えよ。ほら、続けるぞ。次は何やる?」
あらあら、赤くなっちゃって。
まあ、彼の心意気に免じて、これ以上は触れんでおこうかな。
あ「続けるにしても微妙な時間やね。
じゃあ短時間で終わるババ抜きやらん?」
稲「そうだな。じゃあ配り直すからこっちに頂戴。」
あ「はーい。鈴原さん、カードを稲野ちゃんに渡してって。」
『Oui!』
大富豪の残骸を纏め、稲野ちゃんはカードを混ぜ始めた。

時間が経って、放課後。
今日は部活は無いらしいが、生徒会の仕事が早速ある。
稲「ここで待っとこうか?」
あ「別にいいばい。遅うなるけん、先に帰っとっても良かよ。」
稲「鈴原さんはどうしたいの?
ALTO君を待ってたい?」
『Oui!ワタシ、アルト待っテル!
ワタシ、アルトとイナノと帰ル!』
あ「…遅うなるよ?」
『イナノいるカラ、寂しくナイ!』
まあ、たまには良いか。
あ「分かった。じゃあ鈴原さん、稲野ちゃんと待っててくれん?
稲野ちゃん、鈴原さんの事頼んだ。」
二人はそれぞれ、大きく首部を揺らした。

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螢羅(K-Ra)(プロフ) - 緑月翡翠さん» いつもありがとうございます!フランス語を取り入れるのは初めてだったのですが、書いていたら楽しくて楽しくて…!毎日更新、出来れば良いんですけどねえ…。貴重なご意見ありがとうございます! (2017年4月20日 7時) (レス) id: 575549c323 (このIDを非表示/違反報告)
緑月翡翠(プロフ) - 完結おめでとうございます!フランスや花言葉は私も大好きで、とても良かったです…!読者としては毎日更新が嬉しいのですが、ご多忙なようなので時間があれば、という形がいいと思います。次作も楽しみにしています!長文失礼しましたm(__)m (2017年4月20日 6時) (携帯から) (レス) id: b835eb55b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年3月3日 20時

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