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四十一輪 ページ42

休み時間になってからも、リナはベタベタと私にくっ付いてきて。
『〜♪』
あ「…リナ。くっ付き過ぎや。」
『アルト好き好キ〜!』
稲野ちゃんはその隣で、ニヤニヤと私らを見てくる。
あ「稲野ちゃんからも何か言ってや。」
稲「俺、離れとこうか?」
あ「おって良か!」
寧ろおって貰わな困る。
と、後ろから声がした。
振り向くと、そこにいたのは…。
「ねぇねぇ、朝の話本当なの?」
「うわー、めっちゃ引っ付いてるし!」
「マジキモい。見てるだけでウザいんだけど。」
転入当初からリナを苛めとる、女子の集団やった。

稲「関係無え癖に勝手に僻んでんじゃねえよ。
しかも俺らの話盗み聞きしてたの?
そうだとしたらそっちの方がキモいぞ。」
稲野ちゃんが、鋭い口調で三人に突っ掛かる。
いけんって。そんな事したら稲野ちゃんまで…!
「あんたこそ関係無いでしょ?」
「そうだよ。何であんたが口出すんだよ!」
稲「……二人共、俺の大事な友達だからだよ。
俺の友達の事、悪く言ってんじゃねえよ。」
静かに怒りを燃え上がらせる彼を止めようと声を掛ける。
あ「稲野ちゃん、その辺で良かばい。
言わせるだけ言わしておけば良か。」
何とか収まってくれたが、事態は思わぬ方向に。
「じゃあさじゃあさ、あんたらキスしてよ!
あの話がマジなら出来るっしょ?」
「良いねぇ!見たい見たぁい!」
一人の発案に、後の二人が盛り立てる。
あ「そんなん出来る訳無いやろ!
こんなに人おんのに…!」
『アルト。』
あ「な…っ!」
リナが私を呼び、そちらを向くと
彼女が背伸びした弾みで口付けを受ける。
昨日の時の様に深くはならんかったが、
重ねるだけ重ねてすぐに離された。
『…これで良いヨネ?』
途端、三人からけたたましい笑い声が。
「本当にしたよこいつら!」
「マジウケるんだけど!」
「あー、写メ撮っとけば良かったー!」
『……Ta gueule!』
笑い声に被せる様に、そう叫ぶリナ。
その表情は、今までに見た事無か位恐ろしいもので。
『ワタシには、どんなに酷い事言っても良イ!
でも!アルトとイナノに酷い事言わないデ!
ワタシは何言われても我慢スル!でも…!
二人の事言われたらワタシ、我慢出来ナイ!』
怒りに震える彼女の声が、教室中に木霊する。
周りの視線が、私らに集中した。
やがて…。
「…何だよ。急に叫んで。」
「何か私らが悪者みたいじゃん!」
「お前ら見てんじゃねえよ!もう行こ!」
そう捨て台詞を残して、女子三人は私らから離れていった。

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螢羅(K-Ra)(プロフ) - 緑月翡翠さん» いつもありがとうございます!フランス語を取り入れるのは初めてだったのですが、書いていたら楽しくて楽しくて…!毎日更新、出来れば良いんですけどねえ…。貴重なご意見ありがとうございます! (2017年4月20日 7時) (レス) id: 575549c323 (このIDを非表示/違反報告)
緑月翡翠(プロフ) - 完結おめでとうございます!フランスや花言葉は私も大好きで、とても良かったです…!読者としては毎日更新が嬉しいのですが、ご多忙なようなので時間があれば、という形がいいと思います。次作も楽しみにしています!長文失礼しましたm(__)m (2017年4月20日 6時) (携帯から) (レス) id: b835eb55b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年3月3日 20時

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