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三十一輪 ページ32

「そうね、じゃあ…。」
言いながら、足を先に進める店員さん。
私も慌てて後を追う。
「貴方、国花ってご存知?」
あ「こっか?国の花ですか?」
「ええ。日本なら桜や菊がそれに当たるわ。
では問題です。フランスの国花は何でしょう?」
急に出された問い掛けに、私は頭を働かせる。
あ「…薔薇?」
「ぶー。不正解。確かに薔薇のイメージは強いけれどね。
正解はこれよ。」
連れられた先には、手頃な大きさの綺麗な花。
近くには<百合 四百八十円>の文字が書かれたPOP。
あ「百合?」
「ええ。ここには無いけど、アイリスもフランスの国花なのよ。
百合の花言葉は、そこの黄色いものは<陽気>。
そっちのオレンジは<華麗>。
その中でも私は、オーソドックスなこれをお勧めするわ。」
そう言って見せてくれたのは、透明にも見える白い百合。
「花言葉は<無垢>や<純粋>。
彼女にピッタリなんじゃないかしら。」
あ「…じゃあこれ、お願いします。」
「はい、ありがとうね。
じゃあプレゼント用に巻くから着いてきて。」
店員さんは白い百合を一輪手に取り、カウンターに向かった。
私も対価を払う為、そちらに向かう。

花を巻いて貰っている間に、店の中を見渡す。
知っているものやテレビや本でしか
見た事のないものまで数多く取り揃えられていた。
「はい、完成よ。
お代は…、そうね。半額で良いわ。」
あ「え、良かですか?」
「構わないわよ。もっと若い子達にも来て貰いたいしね。
それに、プレゼントは値段じゃないのよ。
気持ちが篭っていれば、誰だって嬉しい筈だもの。」
説得力のあるその言葉に、少しキュンとしてしまった。
あ「…ありがとうございます。」
「こちらこそ、お花を買ってくれてありがとね。
貴方の気持ち、絶対に伝わるわ。」
百合を受け取り、もう一度お礼を言う。
また来てね。と店員さんが手を振ってくれた。

これでリナにあげるプレゼントが買えた。
後は稲野ちゃんのプレゼントやな。
彼と言えばギター、そしてサッカー。
でも、楽器屋やスポーツ用品店なんかあったやろか?
買ったばかりの花を手の中で弄りながら商店街の中を歩く。
ふと立ち止まったのは、本屋。
そう言えば最近、本を読むんも好きやって言っとったな。
彼へのプレゼントはここで買おう。
そう決めて、私は本屋の中に入っていった。

無事に稲野ちゃんへのプレゼントも買え、本屋を出る。
さて、後は二人に渡すだけやな。
稲野ちゃんのは学校で渡せるけど、
リナのはどうしようか。

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螢羅(K-Ra)(プロフ) - 緑月翡翠さん» いつもありがとうございます!フランス語を取り入れるのは初めてだったのですが、書いていたら楽しくて楽しくて…!毎日更新、出来れば良いんですけどねえ…。貴重なご意見ありがとうございます! (2017年4月20日 7時) (レス) id: 575549c323 (このIDを非表示/違反報告)
緑月翡翠(プロフ) - 完結おめでとうございます!フランスや花言葉は私も大好きで、とても良かったです…!読者としては毎日更新が嬉しいのですが、ご多忙なようなので時間があれば、という形がいいと思います。次作も楽しみにしています!長文失礼しましたm(__)m (2017年4月20日 6時) (携帯から) (レス) id: b835eb55b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年3月3日 20時

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