十八輪 ページ19
放課後前のホームルーム。
水泳大会に関する事が書かれたプリントが
先生から手渡され、クラス全員で目を通す。
それが開催されるまで残り数日である事を嫌でも思い知らされる。
別に嫌な訳やないけど。
ブ「それではこの後の時間もプールを開けておきますので、
使いたい方は申し出て下さいね。
ではまた明日。さようなら。」
ホームルームが終わり、掃除の為机を後ろに下げる。
掃除当番の人らが教室に入るのに入れ違う様に
私らも鞄を持って外に出た。
『アルト！プールシタイ！』
今日は生徒会の集まりは無いけん、着いて行ってやろかな。
あ「…そうやね。そろそろ練習しとかな。
先生に言ってくるけん、待っとってな。」
稲「ああ、俺はパス。今日部活あるから。」
あ「分かったばい。じゃあ明日。」
稲「うん。ばいばい。」
『イナノ、Salut！』
稲「サリュー。」
ノリ良く返す稲野ちゃんが面白くて、思わず笑ってしまう。
あ「じゃあリナ、一緒に先生に言ってこよか。」
『Oui！』
稲野ちゃんが部室に向かって歩き出した頃、
私とリナも教室にいるブンブン先生の所に向かった。
許可を得て、それぞれプール用の更衣室で着替えを済ませる。
まさか一日に二回もここに来る事になろうとは。
水泳部の人らも迷惑やろなあ。
部活関係無い人らがプール使っとるんやけんな。
水泳キャップとゴーグルを手に、プールサイドに出てリナを待つ。
本番が近いにもかかわらず、プールには殆ど人はいない。
…これ、前日にいっぱいになるパターンや。
ついでに言えば、結局本番に間に合わんやつ。
暫くして、彼女が出てきた。
『Pour attendre！お待タセ！』
あ「待っとらんよ。私も今出てきた所やけん。
じゃあ、あっちで準備運動しよか。」
『Oui！』
私らはプールサイドの隅の方に行き、準備運動を始めた。
一段落し、いよいよ水面に浸かる。
そこに繋がる小さな梯子を降りていると、
隣で大きな水飛沫が。
あ「…リナ。人の近くでの飛び込みは危ないけ。」
『でも、皆やっテル！』
あ「あれは縦やけん仕切られてるんよ。
ここは横やし仕切りが無いやろ？」
『…Wow！アルトgénie！天才ネ！』
見たら分かるやろ。とは、敢えてツッコまん方が良いか。
さて、練習練習。
あ「リナはどの種目で出るんやっけ？」
『犬カキ！』
あ「そんな種目は無か。」
『Hehe.バタフライ！アルトは？』
あ「私はクロール。一緒に頑張ろうで。」
『Oui！』
先程より少し狭くなったレーンの片隅で、私らは隣同士に並んだ。
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螢羅(K-Ra)(プロフ) - 緑月翡翠さん» いつもありがとうございます！フランス語を取り入れるのは初めてだったのですが、書いていたら楽しくて楽しくて…！毎日更新、出来れば良いんですけどねえ…。貴重なご意見ありがとうございます！ (2017年4月20日 7時) (
レス) id: 575549c323 (このIDを非表示/違反報告)
緑月翡翠(プロフ) - 完結おめでとうございます！フランスや花言葉は私も大好きで、とても良かったです…！読者としては毎日更新が嬉しいのですが、ご多忙なようなので時間があれば、という形がいいと思います。次作も楽しみにしています！長文失礼しましたm(__)m (2017年4月20日 6時) (携帯から) (レス) id: b835eb55b1 (このIDを非表示/違反報告)
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