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十一輪 ページ12

数時間後、帰りの時間のホームルーム。
担任の先生の話が始まり、煩かった教室が静かになる。
ブ「皆さん。二学期最初の行事、水泳大会が
約二週間後に迫りました。
当日までの数日間は、休み時間や放課後のプールの使用が可能です。
得意な種目を練習するなり、泳ぎの基礎を復習するなり
好きに使っても構いませんが、
その際は担任である私に一言声を掛けて下さい。
私の断り無く使用するのは禁止です。分かりましたか?」
返事が返されると号令が掛かり、私達はやっと教室から解放された。

さて、生徒会室に向かうか。
稲野ちゃんとリナを誘い、クラスメイトの波を避けて教室を出た。
私が先頭を歩き、二人は後ろから着いてくる。
やがて生徒会室に着き、ドアを開ける。
その中はやんわり先生以外のメンバーが全員揃っていた。
書類片手にパタパタと動き回っていたうばまろ君が声を掛けてくる。
う「あれ、稲野ちゃんもいる。どうしたの?」
稲「俺はただの付き添い。用があるのはこの子。」
そう言って稲野ちゃんは、隣にいたリナを片手で示した。
彼女はうばまろ君に対してニカッと笑い掛ける。
あ「towaco先生から違反物届いてない?
この娘のなんやけど、こっちに持ってくるって言っとったけん。」
う「違反物か。ちょっと待っててね。」
うばまろ君はそう言うと、生徒達から取り上げた
違反物が入った箱を持ってきてくれた。
う「探してみてよ。この中に入れたけど
他の人のも入ってるから分かりづらくなってるかも。」
ご厚意に甘え、探してみる事に。
他の人の私物に触れるのは申し訳無くも思えるが、
そう言っていたらキリが無い。
探していると、取り上げられる前に見た物が姿を見せた。
あ「リナ、取られたんってこれ?」
『Oh!Sebon!コレ!ワタシノ!』
彼女は目当ての物を私の手から引ったくって
飛び跳ねそうになりながら喜んだ。
『アルト、イナノ!Merci!Merci beaucoup!』
またもや興奮した様子で、私と稲野ちゃんにお礼を言った。
あ「うばまろ君にもお礼言い。
持ってきてくれたん彼やけん。」
私が手で彼を指すと、彼女は彼の手を両手で握って言葉を述べた。
あ「Merci!助カッタ!」
稲「リナ。日本語でメルシーは<ありがとう>って言うの。
うばまろに向かって言ってみて。」
『Oui!ウバマロ、アリガト!』
う「…そんなに嬉しかったんだ。」
言われた彼は照れた様に笑いながらそう呟いた。
用件を満たした所で、二人には出て貰う。
これから会議が始まるけんな。

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螢羅(K-Ra)(プロフ) - 緑月翡翠さん» いつもありがとうございます!フランス語を取り入れるのは初めてだったのですが、書いていたら楽しくて楽しくて…!毎日更新、出来れば良いんですけどねえ…。貴重なご意見ありがとうございます! (2017年4月20日 7時) (レス) id: 575549c323 (このIDを非表示/違反報告)
緑月翡翠(プロフ) - 完結おめでとうございます!フランスや花言葉は私も大好きで、とても良かったです…!読者としては毎日更新が嬉しいのですが、ご多忙なようなので時間があれば、という形がいいと思います。次作も楽しみにしています!長文失礼しましたm(__)m (2017年4月20日 6時) (携帯から) (レス) id: b835eb55b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年3月3日 20時

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