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スタッフから提案された企画は、すぐに実行へと移された
一泊二日の小旅行
次のアルバムに収録される曲の収録がメイン
その合間に、スタジオ付近に出掛けて地元を楽しむ俺達の姿を撮影すると言うもの
朝イチで東京を離れて、まずはスタジオへ
着いた場所は緑に包まれた静かなスタジオだった
柔らかな光が差し込むそこは、収録前の緊張感も良い意味で解き放たれて、スタッフも、隣に並ぶ北山の表情も穏やかに見えた
普段は一人ずつ行う曲の収録
今回は企画の為隣同士並んでの収録になる
「普段通りで構わないので。あー、でも時々は顔見合わせて欲しいな。二人が良ければ、向かい合わせで収録も出来るけど。」
スタッフの半分本気な提案に、北山がちらりと俺を見た
どう返していいか分からずに戸惑っていたら
「いやぁ、それは許してくださいよ。藤ヶ谷さんと向い合せなんて、俺緊張して歌えないっす。」
大げさにおどけて見せて、また…ちらりと俺を見た
2人だけの空間…
いつもと違う雰囲気になるのは、日常を離れた場所にいるからなんだろうか
それとも…
「では、始めましょうか。」
スタッフの声でスタンバイに入る
ヘッドホンを付けてマイクに向かう北山の横顔は、なぜか儚げに見えた
北山の様子が気になって、歌いながらもチラチラと視線を隣に移す
北山はカメラを気にしてか、俺に視線を合わせようとしているようで、スタッフ達も満足気だ
「藤ヶ谷が見て来るから、俺マジで緊張した(笑)」
クスクス笑う北山は、普段通りに見えるけれど…
スタジオでの今日の収録を予定通り終えて、すぐ近くの小さな商店街へと降りて行く
その間も、カメラマンは俺達を撮影し続けている
「うわっ、これ美味そう!」
「美味いよ!どうだい?食べてみるか?」
「え、良いんっすか?!」
人懐っこい笑顔を振り撒く北山は、町の人もすぐに虜にする
あっという間に北山の周りには人が集まり
「兄ちゃん、これも美味いぞ!」
「うわーっ!俺これ好きなんっすよねー!ありがとうございますっ!ほら、藤ヶ谷も食えよ!」
北山の後ろで様子を探っていた俺も、いつの間にか輪に入っていた
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作者名:MISA | 作成日時:2017年12月7日 13時