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「どうした?なんか今日はずっと心ここにあらずだな。」





ソファに腰を下ろしてぼんやりと窓の外を見つめていると、渉が何か言いたげな微笑みを浮かべて近付いてきた





「んー。」

「また何かお悩みですか?藤ヶ谷さん。」





くすくす笑いながら隣に座る渉は、嫌味っぽい言葉もそういう風に聞こえないから人徳だと思う

実際そんな渉に俺は、悩みが出来る度に頼ってる訳で…





「んぅー。」

「あれ?珍しい。いつもならすぐに『わたー!』って泣きつくのに。」

「……泣きついてないもん。」





一瞬でも躊躇ったのは、自分の感じた違和感に確信が持てなかったから

そして、その相手が北山だから…





「もしかしてさぁ、太輔の悩みの種はみっちゃん、かな?」

「えっ!何で分かるの!?」

「くくくっ。俺、太輔のそう言うトコ、凄い好きだよ。」





くすくす笑いながら俺の頭を撫でる渉を思いっきり睨んでやったけれど、渉は気にも留めてない様子





「太輔は無意識かもしれないけどね、最近ずっとみっちゃんの事、目で追ってるよ?」

「え…」

「何が気になってるのか、良かったらお兄さんに話してみなさい。」





小さく首を傾げて顔を覗き込まれる

じっと見つめていたら、ね?と優しく微笑んで俺の体ごと向き合わされた





「北山ってあんなやつだったっけ…って。」

「え?」

「…あんな風に人に壁作る奴だったかなって…」

「壁?みっちゃんが?どちらかと言えば、事務所の作った壁を頑なに守ろうとしてたのは太輔の方じゃない?」





事務所からの戦略を受入れながらも、半ば納得はしてなかった

俺も北山も

でも、俺達の取った態度は正反対で…

それならと徹底的に距離を置こうとしたのは俺の方





「だからだよ。だから尚更違和感感じるって言うか…。」

「…」

「俺だけならまだしも、メンバーにもスタッフにも薄い壁作ってるように見えた。」

「…」

「…なんか俺が知ってる北山じゃないみたいだ…。…本性が見えないって言うか…完璧に皆が求める北山宏光を演じてるって言うか…。」





俺の話をずっと黙って聞いていた渉は





「……そっか。」





と小さく呟いただけだった







.

6 Yside→←4



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作者名:MISA | 作成日時:2017年12月7日 13時

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