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「何つまんない事考えてんだよ…」
「だって…」
「メンバーなんだから、困る事なんてないだろ?お前が途中で倒れる方がよっぽど困る。」
「藤ヶ谷…」
「お前は、人の事ばっか心配し過ぎ。そのうち、考え過ぎてハゲるぞ?」
「はっ…!」
「自分が辛い時くらい、人に甘える事を学びましょう。」
「…ぅ…」
「………俺が嫌なら……他の奴でもいいからさ。……ちゃんと頼って。」
北山が楽になれるなら…俺じゃなくても良いから…
「……嫌じゃない。」
「え…?」
「藤ヶ谷が…ぃぃ…//」
ぷいっと視線を逸らして、呟く北山が可愛くて
「…おんぶして行こうか?」
「それ絶対嫌だっ///」
「えー、ホントはお姫様抱っこしたいの我慢してんだけど。」
「もう黙れ…//」
潤んだ瞳で精一杯俺を睨んだ北山を宥めて、肩を支えながら部屋へと向かう
その間にも、はぁはぁと荒い呼吸を繰り返して、立っているのがやっとと言う感じ
それでも、玄関に着いた途端
「ありがと、な…。もう…大丈夫…だ、から…」
俺の腕を離れて行こうとする
「本当に大丈夫?ベッドまで連れて行くよ?」
「…へい、き…」
靴を脱ごうと玄関先に座り込んだ北山は、何度も俺の前で靴に手を伸ばすけれど、力が入らないのか、そのうちくたりと壁に体を預けて動けなくなってしまった
「…ふじ…」
「ほら…だから無理すんなって言ったのに。寝室どこ?」
靴を脱がせて、そのまま北山を抱き上げた
抵抗する気力もないのか、北山は俺の胸にコトンと頭を預けて
「…っ…そっち…」
薄く開いた扉の向こうを指差した
初めて入る北山の部屋
きちんと整頓された部屋は、所々散らかっていて、きっと…今朝、片付ける事もままならない状態で仕事に出たんだと分かった
ゆっくりと北山をベッドに下ろし、上着だけ脱がせてベッドに横たえた
薄く開いた瞳を必死に保とうとする北山の髪をそっと撫でる
「…ふ………ゃ…」
「うん。寝てな。俺、何か買って来るからな。」
ゆっくりと唇が動く
きっと北山の事だ
俺を心配して、帰れって言いたいんだろう
「ありがとな、北山。…おやすみ。」
真っ赤に染まった頬をそっと撫でると、ふっ…と微笑んだ様な顔を見せて
スーッと眠りに落ちて行った
.
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作者名:MISA | 作成日時:2017年12月7日 13時