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忙しい毎日はあっという間に過ぎる

イベントを幾つか終えて、また世間は静かな日常を過ごし始めた





俺と北山との時間も、穏やかに、静かに流れている





「お疲れ。…あれ?皆は?」

「次があるからって、もう帰ったよ。」

「そっか。」





収録終わりの楽屋

窓の外を見つめる北山が、ガラス越しに答える

その表情は儚くて、今にも壊れそうで…

でも綺麗だ…





「…何、見てるの…?」

「……雪。」





外はもう暗くて、俺の位置から雪は見えない

そっと北山の隣に並んで、窓の外を見つめる





「ホントだ…。結構降ってる。どうりで寒いはずだわ。」

「うん。……きっとすぐに、真っ白い景色に代わるよ。」

「このまま積もったら、明日の朝は子供達は大はしゃぎだろうな。」

「んふふ。そうだな。」





北山は、まるでその光景を思い浮かべてるみたいに、優しい微笑みを浮かべる

その笑みを浮かべる頬に触れたくて…思わず、手を伸ばした





「くしゅん…」





頬には届かず宙を切る手

北山は、ずずっ…鼻をすすると、小さく肩を竦めた





「大丈夫か?…お前、いつからここにいるんだよ?」

「んー?」





ふにゃりと笑って誤魔化す仕草

部屋の中だって言っても、さすがに窓際は冷える





「もう…。これ巻いてろよ。」





ソファに投げていたストールを取って、北山の首に巻きつけてやる

すると、嬉しそうに両手でストールを口元まで上げて、スンと息を吸った





「んふふ。藤ヶ谷の匂いがする。」





……そう言うの、無意識でやってんのかな…

そうじゃなかったら、確実に俺、北山の思うツボだ…





「…良い匂いだろ?」

「うん。…ありがと。」





へへっと笑って俺を見上げる北山に、胸がキュンと高鳴って、視線を逸らさずにはいられない





「…そろそろ帰るぞ。」





このままいたら、抱き締めてしまいたくなる

ぐっと堪えて、北山の傍を離れようとしたのに





「雪でも…藤ヶ谷といると暖かいんだな…」





そう呟いた北山に、もう…我慢できなくなった






.

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作者名:MISA | 作成日時:2017年12月7日 13時

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