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「同情なら、止めてくれ…。余計傷付く…。」





体を震わせて俯く北山は、ジリジリと後ろへ下がっていく





「同情じゃない!同情なんかでキスなんて出来るかよ!北山の傍にいたい、北山に触れたいと思う。北山の涙を笑顔に変えたいと思う。…俺、本気で北山が好きなんだよ!」





信じられないと言う様にフルフルと首を小さく振りながら、北山はなおも俺から離れようとする

その姿を放っては置けなくて、追うように近付いて行くと、北山はトンと壁へと追い込まれた





「藤ヶ谷は優しいから俺を助けたいって思ったんだ。…それだけ……恋だと思い込んでるだけだよ。」





震える唇が、俺の気持ちを否定する

それでも、俺は北山に想いを伝えたいと思った





「確かに最初は、ただ北山を助けたい一心だった。でも、今は違う。北山の事考えただけで胸が熱くなって、北山に会いたくなって、北山の声聞くと胸が苦しくなる。」

「う、そ…」

「俺も自分の気持ちが何なのか分かんなかった。だから…悩んで…考えて…やっと分かったんだよ。」

「そんな事…」

「北山が同情だって思うならそれでいい。でも、俺が北山を好きだって事に嘘はないから。」

「そんな事…信じられないよ…」

「なら俺は信じて貰えるまで、北山に想いを伝え続ける。それだけだよ。」





諦めた様にズルズルと壁に体を預けた北山は、その後膝を抱え込んで顔を埋めた





「……俺は汚れてる。」

「違う。」

「真っ黒なんだよっ。俺は…心も体も…真っ黒だ…。」

「そんな事ないっ」





震える肩を抱きしめて、北山の顔を覗き込んだ





「ね、北山、俺を見て。」

「…ゃ…」

「大丈夫だから。」





北山の頬を包んで、無理やりに上げた顔には幾筋もの涙の痕

新しい涙をその上に重ねながらも北山は、俺を弱々しい目で睨むと





「…怖いんだよっ……もう誰の人生も…壊したくない…」





そう言って、俺の腕を痛いくらいに握り締めた





「北山…」

「だから…そんな事…言わないで…」





言葉とは裏腹に不安げな瞳

離れて欲しくないと言われてる気がした





「俺は絶対自分を見失ったりしない。北山を泣かせるような事もしない。約束する。」

「…そんなの…無理だ…嘘に決まってる…。」

「無理じゃない。嘘もつかない。」





真っ直ぐに北山の瞳を見つめて、そう言い切る

俺の想いが伝わるように

けれど、北山の心は俺が思っていたよりもずっと固く閉ざされていた







.

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作者名:MISA | 作成日時:2017年12月7日 13時

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