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「太輔、後悔してる場合じゃないぞ。涙拭け。」
赤い目をしたまま、渉が俺にハンカチを差し出す
それを受け取ってゴシゴシと涙を拭いた
「……ホントはみっちゃんに言われてたんだ、太輔には言わないで欲しいって。」
「…そっ、か…。俺はずっと北山に背を向けてたからな…嫌われたって、当然、だよな…。」
「違うだろ。大切だから知られたくなかったんだろ?」
「え…?」
「ホントはみっちゃん、太輔に頼りたかったんだと思うよ。けど出来ないから俺に話したんだよ。」
「何で…」
「どうにもならなくなった時は、俺から太輔に話して欲しいって…そう言う意味だと俺は思ってる。」
「…」
「みっちゃんとの約束だから、ずっと胸の中にしまってた。けど…みっちゃんが太輔の前で涙を流したってんだから、その時だって事だろ?」
「わた…」
「太輔がみっちゃんを守るんだもんな。」
そう言うと、渉は優しく笑って俺の髪をくしゃりと撫でた
「最初から、みっちゃんの涙を拭えるのは太輔だけなんだと思う。みっちゃんの事、よろしく頼むな。」
「わた…」
「困ったことがあったら、力になる。弟達も皆、同じ気持ちだから。」
「うん。」
「みっちゃんも太輔も、俺達は本当に大好きで大切なんだよ。」
「ん……ありがと。俺、頑張るよ。」
*******
北山の身に起こった悲しい運命…
渉の話を聞いてから、俺の頭の中はもっと北山でいっぱいになった
あの笑顔の裏側で、どれだけ無理を重ねて来たんだろう
どうしたら北山の心の傷を癒せるんだろうか…
今の俺に出来る事は…?
「はぁ…」
「ガヤ、さっきからため息ばっかついてるね。」
「原因は…キタミツですな。」
「そのようですな。」
たまと宮田が、俺を挟んでソファに座る
俺から何かを聞き出そうとするような…ある種の好奇心に満ちた目…
「……お前らのお遊びに付き合ってる余裕はないんだけど。」
「失礼だなぁ、お遊びなんて。俺らはガヤの力になりたいな〜って。」
「……」
どう見ても面白がってるようにしか見えなくて、じとっと2人を睨んでみる
けれど、二人はそんな事は気にも留めないみたいに微笑んでる
「ガヤさん、キタミツの事何とかしたいのにどうしていいか分かんないって感じでしょ?」
「…」
「ガヤ、いつまでそうしてるつもり?ガヤが動かなきゃ。相手はミツなんだし。」
どうやら、弟達は全て御見通しの様だ…
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作者名:MISA | 作成日時:2017年12月7日 13時