第36話 安室side ページ45
「風見、今、工藤美桜と言ったか?」
「はい。旧棟の中に取り残されている模様です。連絡が取れないらしく、旧棟のどこにいるのかは分かっていません。本人は屋上へ向かうと言っていたそうです。」
「風見、この場の指揮をお前に任せる。」
「え、降谷さん!」
風見の返事を聞かずに僕は旧棟へと走り出す。
ここは彼女が高校生の頃よく僕と一緒に来ていたショッピングモールだ。
お互いに服を買ったり、アイスを食べたり世間一般で言うデートをよくしていた。
当時はまだ旧棟が使われていたため、地図は頭の中にしっかり入っている。
入口から中へと入ったものの、中は真っ暗だ。
スマホの懐中電灯をつけて辺りを見回す。
1番近くの階段は瓦礫で塞がれていたため、奥の階段へと向かう。
だが、そこも瓦礫で塞がれていた。
さらに奥へと向かいエスカレーターを探す。
よし、ここからなら上に行ける。
3階ではぐれたと言っていたから3階から屋上へ向かう途中で何かがあったはずだ。
急いで3階まで駆け上がり、彼女の名前を呼ぶ。
「美桜!いるんだろ!返事してくれ!」
耳を澄ますが返事が聞こえてくる様子はない。
ということは上か!
4階にあがり、辺りを走りながらまた名前を呼ぶ
「美桜!どこだ!美桜!」
頼むから返事をしてくれ、美桜。
もう君に会えなくなるなんてそんな苦痛は味わいたくない。
何か見つける方法はないのか…
…………一か八かだが…
僕は安室透のスマホをだして美桜のスマホへと電話をかける。
それと同時に下の方で爆発が起こる。
そして、微かだが音がした。すごく集中していないと聞き取れない程の音量だ。
その音を頼りに音がする方向へと向かう。
だんだん音が大きくなっていく。
多分この辺りのはずだが…
そう思い、瓦礫をよかすと彼女のスマホがでてきた。
画面は割れているが、彼女のもので間違いないだろう。
ということはこの辺りにいるのか。
「美桜!どこだ!聞こえたら返事してくれ!」
「助けてください!私はここです!助けて!」
そこから少し行ったところで彼女の声が聞こえたため、僕はそこへと向かった。
610人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユラ(プロフ) - もりさんさん» ありがとうございますー!!めっちゃ嬉しいです。これからも更新頑張ります! (2020年3月26日 11時) (レス) id: 16973fa861 (このIDを非表示/違反報告)
もりさん - めっちゃ面白いです、更新頑張ってください! (2020年3月25日 22時) (レス) id: 85d63b0d59 (このIDを非表示/違反報告)
ユラ(プロフ) - ちびきゅうさん» ありがとうございます!!仕方ないとは分かっていても辛いです…ちびきゅうさんも体調には気をつけてください!北海道かなり感染してるので…これからも更新頑張ります!! (2020年3月2日 8時) (レス) id: 16973fa861 (このIDを非表示/違反報告)
ちびきゅう(プロフ) - 作品読ませて頂きました!私も作者様と同じく北海道住みで臨時休校になりました。せっかくの休みなのに外出できないのは辛いですよね...体調に気をつけてこれからも更新頑張ってください! (2020年3月2日 2時) (レス) id: c6bc8574cb (このIDを非表示/違反報告)
ユラ(プロフ) - 零さん» 沖縄…1回も行ったことないので行ってみたいです!学級閉鎖と重なって休みになるのは大変そうですね…。作者は耐えられない気がします笑 ありがとうございます!大好きって言ってくれてめちゃくちゃ嬉しいですー!!更新頑張ります!零さんも体調にはお気を付けて! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 16973fa861 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユラ | 作成日時:2020年1月13日 21時