弟よ、私を事件に巻き込むな！

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もう1人が逃げた理由は時計店の強盗犯だったからなんだろうけど、この人混みに紛れてたら見つけるのはもう困難じゃないかな……

とりあえず、新ちゃん達の報告を待つか！

｢美桜ちゃん！｣
｢あ、ママ！警察に連絡してくれた？｣
｢ええ、したけど。あなた、車が落ちたあとすぐ側までいったんですってね！もう、危ないじゃない！もし中にいる人が生きてて悪い男の人とかだったらどうするのよ！｣

うっ、そこまで考え回ってなかった……

｢ごめんなさい｣
｢まあ、何もなかったようだし今回は見逃すけどあまり無茶しないでね！ところで、新ちゃんは？｣
｢あー、少し頼み事したの。もう少ししたら戻ってくると思うよ。｣

そんな会話をしてるとパトカーのサイレンが聞こえてきて警察が海水浴場まで入ってくる。

｢警察です。通報をした方は？詳しい状況を教えていただきたいのですが……｣
｢あ、私です。｣

そう言って状況をママが説明する。

｢あの崖のガードレールを突き破って車が海に転落したと？んで、この男がその車の運転手で車からあんたが引き上げて我々警察に通報したわけか。｣
｢あ、いえ。通報したのは私ですけど、引き上げたのは娘と彼で……｣

そう言って私とお兄さんの方を見るママ。

｢誰だい？あんたら｣
｢アメリカの大学に通ってるただの留学生ですよ。今日は日本に久し振りに帰って来て家族とここへ…｣
｢私はただの高校生です。母と弟と弟の幼なじみのこの子と4人で海水浴に来たんです。｣
｢しかし本当なのか？通報ではその車にもう1人乗ってたそうだが。｣
｢そのお兄さんがそう言ってたもん！｣

ママの後ろに隠れながら蘭ちゃんがそういう。

それを受けてお兄さんがその理由を説明する。
すると、警察の人は1時間ぐらい前に1キロ先の時計店に2人組の強盗が入ったという通報があったと言う。

やっぱりそうだったのか、てことは犯人はこの人ともう1人で、そのもう1人は逃げた、ということか。


｢ピエロのお兄さん！姉ちゃん！連れてきたよ！車が海に落ちた後、買い物したお客さん！｣
｢え、割と早かったね。間違いないの？｣
｢ああ。小太りのこのおじさんはTシャツと海パン、このお姉さんはビーチサンダル、このヒョロっとしたお兄さんはアロハシャツを買ってたよ！｣

私の問いかけに新ちゃんの隣にいた同い年ぐらいの男の子が答えてくれる。

そして、その3人の話を聞くことになった。

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