弟よ、私を事件に巻き込むな！

第25話 コナンside ページ27

姉ちゃんがお盆を戻しに行っているのを待っていると灰原が話しかけてきた。


｢言っておくけど、私も記憶を取り戻して欲しいって思っているわ。もしかしたら組織が関わってきている可能性が出てきたのだから。でも、本人が了承しないとあの件は無理よ。それに、場合によっては命に関わってくる問題になるから安易にYesとは言えないわ。そこの所、理解しておいてくれる？｣


灰原が言うあの件とは前に頼んだ姉ちゃんの記憶を取り戻す方法をなんでもいいから探して欲しいという件のことだろう。
方法はいくつか見つかったがどれも危険で今の状況では命に関わってくるらしい。
そして、姉ちゃんは記憶を無くす直前に何かを見ているかもしれない。黒の組織に関わる何かを。

その事もあり、俺は姉ちゃんにはやく記憶を取り戻してもらいたいと思っている。
今まではいつか思い出してくれればいいと思っていたが、もし姉ちゃんが黒の組織に関わるものを見ていたとしたら姉ちゃんの命が危ない。
探り屋と言われているらしいバーボンが動き出したとなるとバレるのも時間の問題かもしれない。


｢ああ、分かってるよ。でも、俺はどうしても姉ちゃんに思い出して欲しいんだ。記憶がなくなる前、すげー楽しそうにしてたんだよ。多分だけど恋でもしてたんじゃねーかな。その時遊んでた相手にさえ会えれば少しずつでも戻るかもしれねぇって思うんだ。どこにいるかもわかんねぇけどな。まあ、俺も無茶なこと言ったってのは分かってるからよ。この件は別の方法探してみるわ。悪かったな、灰原。｣

｢別に気にしてないわ。他に方法がないか、私の方でも探してみるわ。｣

｢ああ、頼む。ありがとな。｣


灰原にお礼を言いいながら、俺は昔のことを思い出していた。

約10年前の姉ちゃんとの会話を。



あの時の姉ちゃんの顔だけは未だに忘れられない。だって、俺が蘭を見る時と同じ顔をしていたから。

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