第10話 ページ12
「美桜さんは何のご職業をしていらっしゃるんですか?」
安室さんと何を話そうかと悩んでいたら向こうから話題を提供してくれた。
「私は帝丹小学校で養護教諭をしています。安室さんはたしか、探偵をやっているんですよね?」
「はい!なにかあったらいつでもご依頼下さい。美桜さんのためならいつでも力になりますので!」
「え、ありがとうございます!なにかあったら相談しますね。」
笑顔で返事をしたけど、思わずきゅんとしてしまった。
いや、イケメンにこんなこと言われてきゅんとしない方がおかしいと思うんだけどね!?
「美桜さんは何故、養護教諭になったんですか?」
何故って、…そんなの決まってる。
あの時貰った優しさを今度は自分が周りの人に与えられるようになりたい。
それを簡単にやってのける人に憧れたからだ。
「あー、私、高2の時に交通事故にあって、記憶喪失になっちゃって…
その時に側にいて支えてくれた先生が養護教諭をしていたので、それに憧れたんです。」
当時のことを思い出し、辛かったが懐かしいなと笑みが零れる。
だが、隣にいる安室さんはすごく驚いた顔をしていた
「それじゃあ、その事故よりも前の記憶は未だに戻ってない、という事ですか?」
「え?まあ、そうですね。何か思い出の場所とかに行けば思い出せる可能性もあるらしいんですけど、あの頃遊びに行く場所を誰にも言わなかったそうで……
だから、私にとっての思い出が深い場所というのが両親でもわからなかったらしいです。」
でも、何で私は誰にも遊びに行く場所を言わなかったんだろう?
そんな事を考えていると安室さんが凄いことを口にした。
「では、僕に依頼してみませんか?記憶を思い出す手がかりを探す、という依頼を。」
「できるならやって頂きたいですけど、私の父でも出来なかったことを出来るんですか?」
え?いや、そんなことって普通の人にできるの?警察にコネがあるお父さんでさえ出来なかったのに…
「ええ、僕なら絶対にできますよ。依頼してみませんか?もちろん、依頼料はとらないので。」
「え?いや、お願いしたいですけど依頼料をとらないのは流石に…払いますよ!」
「では、僕への依頼料は美桜さんが記憶を思い出す、ということでどうですか?」
いやいやいや
そんな事言われてもなぁ…
うーん、まあ本人が言ってるし…
「じゃあ、お願いします。」
「お引き受け致します。」
そう言って安室さんは笑った。
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ユラ(プロフ) - もりさんさん» ありがとうございますー!!めっちゃ嬉しいです。これからも更新頑張ります! (2020年3月26日 11時) (レス) id: 16973fa861 (このIDを非表示/違反報告)
もりさん - めっちゃ面白いです、更新頑張ってください! (2020年3月25日 22時) (レス) id: 85d63b0d59 (このIDを非表示/違反報告)
ユラ(プロフ) - ちびきゅうさん» ありがとうございます!!仕方ないとは分かっていても辛いです…ちびきゅうさんも体調には気をつけてください!北海道かなり感染してるので…これからも更新頑張ります!! (2020年3月2日 8時) (レス) id: 16973fa861 (このIDを非表示/違反報告)
ちびきゅう(プロフ) - 作品読ませて頂きました!私も作者様と同じく北海道住みで臨時休校になりました。せっかくの休みなのに外出できないのは辛いですよね...体調に気をつけてこれからも更新頑張ってください! (2020年3月2日 2時) (レス) id: c6bc8574cb (このIDを非表示/違反報告)
ユラ(プロフ) - 零さん» 沖縄…1回も行ったことないので行ってみたいです!学級閉鎖と重なって休みになるのは大変そうですね…。作者は耐えられない気がします笑 ありがとうございます!大好きって言ってくれてめちゃくちゃ嬉しいですー!!更新頑張ります!零さんも体調にはお気を付けて! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 16973fa861 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユラ | 作成日時:2020年1月13日 21時