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「危ないですね」
「フン…お前名前は何と言う?」
「マッシュ・バーンデッドです」
“マッシュ・バーンデッド”。
その名を聞いた時、2人に校長の言葉がフラッシュバックする。
〈ウチに面白い生徒が入ってのう…極めて特殊な事情を抱えておるがとても強き心を持っておる。ぜひレイン君に面倒を見て貰いたい。その子の名は…〉
「そうか…お前/あなたが…」
「「これまでの非礼詫びさせてくれ/ください。申し訳ない」」
胸に手を当て、深々と頭を下げる2人。
「許さぬ」
しかしマッシュは言い放った。
「お詫びといってはなんだが、これをやろう。巻けば傷が癒える魔法のハンカチだ」
そう言ってレインはウサギがあしらわれたハンカチを手渡した。
横でAが唇をきゅ、とかんで笑いを堪えている。
「好きなんですか?ウサギ」
マッシュの問いかけに答えず、ただ睨みを利かせるだけだった。
「ありがとうございます」
「それと十分注意して行け。アベルの所へ行くんだろ」
「何で…」
「お前が神覚者を目指している事はジジイ「校長先生」から聞いている。となればぶつかるのは必然的にアベルだろ」
ジジイ、と言うレインに校長先生と割って入るA。
「奴は間違いなく今年の神覚者候補の一人だ。奴の使う人形魔法は学生の域を超えていると言っていい」
「あっ…あなたが私たちの初級魔法を素手で防いだのにはし、正直、お、驚きましたが、魔法が使えない現状では正直厳しいです、よ」
兄のローブをさりげなく掴んでいる。
人見知りなのだ。
「使えますけど…魔法」
「しかしだ。奴は学校のほとんどのコインを占有している。勝てればお前はそのコインを総取りし神覚者候補に大きく近づく」
「ま、魔法界は現状問題が山積みなんです。一人でも強い人がな、仲間に欲しいんです。」
「「神覚者になると言った以上死んでもなれ/なりなさい」」
2人の声が揃う。
「うす」
マッシュが返事をする。
「オレとこいつは別に用がある。気をつけて行け」
「あっ色々ありがとうございます」
「これは全てオレたちのためだ。勘違いするな。じゃあな」
「きっ、気を付けてくださいね…!」
「多分いい人たちだな」
「魔法が使えなくても神覚者にはなれる。そのためにも、あなたが魔法使いよりも優れていると証明してみせてくださいね」
ぽつりと呟いた言葉。
果たしてマッシュには届いているのだろうか。
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ろぉぜさん@リアル多忙につき低浮上(プロフ) - 続編、楽しみに待ってます!! (5月7日 17時) (レス) @page50 id: 322d14085a (このIDを非表示/違反報告)
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