人見知りの神覚者様。１ (ページ16)

今日:79 hit、昨日:179 hit、合計:19,138 hit

15 ページ16

＿
「あっ…あの…なんかありがとうございます」

レインのいう“生意気な後輩”が来た。

「なんのことだ？オレらはこの森でウサギとたわむれていただけだ」
「私も同じにしないでいただきたい」
「やっぱ好きなんだ…ウサギ」
「…もうすぐ選抜試験か」
「はい」
「オレらは気の利いた言葉が下手くそだ。だから一言だけ言わせてもらう。お前が今していることは前代未聞の挑戦だ。失敗してよかったなんてことは一切ない」
「「勝て。勝って初めて挑戦は報われる」」
「うす」

神覚者への道のりは大きく三つのステップに分けられる。
１次コイン集め
２次神覚者候補選抜試験
３次神覚者選定最終試験
２次試験に進む事ができるのは、金のコインを5枚以上集めた者のみである。

…が、今年度はイノセントゼロの介入もあって試験が早まり、金のコイン3枚以上を有資格者とした。

「…あの…カルドさん？」
「はい？」
「なんで私ここにいるんですか？」
「…」

質問を無視したカルド。

「(無視か)」
「おいあのマッシュっての魔法が使えないって噂の奴じゃね？」
「ここはお前のいる場所じゃねェ！」
「帰れ！」
「かーえーれ！かーえーれ！かーえーれ！かーえーれ！」

会場に沸き起こる帰れコール。

「ひでぇな…寄ってたかって」
「マッシュくんは自分の力でコインを集めてここにいるのに…マッシュくん気にしなくて…」
「帰りた…」
「そりゃそうだ」

そのやり取りが見えていたのか、Aが笑みをこぼす。

「(笑った？)」
「各寮から代表者全12名が出そろいました！それでは早速行きましょう。デッド・オア・アライブな予選はこちら！名付けて“死霊の狩り場”。ルールは簡単。ステージに隠された鍵を見つけだし脱出するだけ」
「意外と危なくなさそう」
「なお鍵はトロルアンコウの浮き袋に入っており、魔法を使い風船のように割らなければ手に入りません」
「なるほどね。そういう試験か」
「そして3人の死霊から逃げながら行ってもらいます」
「キャアアア出たｱｧｧｧｱｱ」

フィンが叫ぶ。