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イーストン魔法学校には寮生たちを仕切る監督生が存在する。例えば、レインやAなどだ。
監督生はイーストン魔法学校トップクラスの実力を誇り、いずれも神覚者に成り得る素質を持った者たちである。数年前、13歳から15歳の中等部を集め魔法実技の大会が開かれた。その催しを圧倒的な力で制した者がいた。
当時、彼は9歳。名はマーガレット・マカロン。のちのオルカ寮監督生である。
「これはこれは。
不思議な色合いの煙と共に、ピアノが現れる。
マーガレットがピアノの鍵盤を叩くと、楽譜の様なものが辺りを包む。
「力不足…の冬ね」
「(何が起こってるんだ、今)」
「(なんなんだコイツ)」
2人は考えていることこそ違うが、表情は面白いほど同じ。
呆れのような呆然としているような顔だ。
「強者が全て神覚者を目指すワケではない。神覚者とはあくまで席の名前。純粋に強さのみを求めたアタシと表面上の立場を求めたあなたたち。果たしてどちらが強いかしら?」
「パルチザン」
「ブレイズ」
2人は容赦なく固有魔法を放つ。
「サウンズ」
マーガレットも同様だ。
3つの魔法がぶつかり、辺りは黒煙に包まれる。
「パルチザン」
「ブレイズ」
またも固有魔法を放った2人。
「シバサウンズ・ハウリングサウンズ」
レインとAを囲むように魔法が放たれる。
2人が顔を上げた時、2人の周りに音符が浮遊していた。
「反撃しない方がいいわよ。あなたたちが唱える呪文に反応して爆発するわ。レイン・エイムズ、A・エイムズ…人は何故刺激を求めるか分かるか?」
2人は答えない。
「答えは簡単。退屈は死も同然だからよ。アタシたちは刺激のために生きているのよ。それなのにアナタたち、他人に世話を焼いてるなんて随分悠長じゃない」
依然として2人は反応しない。
ただただ整った顔でマーガレットをにらみつけているだけだ。
「つまらないわ。そんな価値観の人間が私を満たせるとは思わない。早くどいてちょうだい。アタシはマッシュ・バーンデッドに会いにいくの」
「…生意気な後輩だ。その生意気な後輩が言っている。魔法が使えずとも神覚者になると」
「この世界の認識を変える、と言い張りました」
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ろぉぜさん@リアル多忙につき低浮上(プロフ) - 続編、楽しみに待ってます!! (5月7日 17時) (レス) @page50 id: 322d14085a (このIDを非表示/違反報告)
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