六 ページ8
仙蔵
六人目の天女は、疑い深かった。
この暗い山の中で人に遭遇したなら、普通は助けを求めたりするもんだと思っていたが、そんなことは無かった。
ただこの女は、ずっと逃げるタイミングを探っていた。
私と話している時も、夜目が効くようで、私たちの観察をしていたようだった。
今も
文(付いてきてるぞ)
食(体力はあるそうだな)
天女が私たちの案内について来れていることが意外だったことを矢羽根で私たちは話していた。
天女を毛嫌いしている長次と私は、案内も雑にしたし、足場の悪い所を通るような幼稚な嫌がらせをしたりした。なのに物ともせずついて来ている。
ああ、なんでついて来れるんだ。
ついて来ないで欲しかった。始末してしまえばよかった。
普段ならそれなりに遠く感じる山道も、何故だか天女がいると短く感じられる。
それは決して喜びとかでは無く、幼少期に高い所から飛び降りる遊びとかで自分が飛び降りる順番を待っている時の、あの恐怖と微かな絶望感から来るものに似ていた。
ああ、門が。
58人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まる(プロフ) - いおらんさん» ありがとうございます!コメントとても嬉しくて励みになります! (2019年8月2日 19時) (レス) id: 3f7caaff83 (このIDを非表示/違反報告)
いおらん(プロフ) - とても話が好みで楽しく読ませてもらってます(^^)更新頑張ってください! (2019年8月2日 12時) (レス) id: 60ac9a4c80 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 桜ノ夢さん» ありがとうございます!初めての作品なのでとても緊張しながら書いているのでとても嬉しいです。タイトルについてはこれからのストーリーをお楽しみにしていてください! (2018年11月18日 19時) (レス) id: 3f7caaff83 (このIDを非表示/違反報告)
桜ノ夢 - まるさん!この作品とても面白いですね!私、これ読んだ後、「ふぅ〜面白かった…な…え!?何この題名!?夢主消えるの!?」って思いましたから← (2018年11月13日 22時) (レス) id: 3556d0a5e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まる | 作成日時:2018年11月13日 21時