三十八 ページ40
さて、図書室に来た。
現代、私のいた時代のそれとは違う、墨と紙の匂いが心地よかった。
きょろきょろと辺りを見回すと、壁には貸し出し期間や「静かに！」といった張り紙がしてあり、学生時代に戻ったみたいで、暖色じみた懐かしさを感じた。
貸し出しの机に人が居たので会釈をし、とりあえず目に入った本棚の方へ行くことにした。
見事に面白そうな本ばかりで、何冊か手に取りパラパラとめくってみる。日中でこの時代の字体には慣れたので、もう読める。
棚と棚を往来し、本を厳選した。物語とミステリーのような物を選び取り、心の中のわくわくを本と一緒に大切に抱える。
『ん…？』
ある本棚の前に来ると、そこは忍術についての本がびっしりと並んでいた。
また、数冊引き出してめくって見たが、内容が殆ど理解出来ないのだ。書いていることは分かるけれど、解らない。
これは知的好奇心をくすぐられるな。
どうしても忍術に対しての知りたい欲がむくむくと湧き上がってきたので、近くにいた一年生と思わしい子に小さく声をかけた。
『あの』
「はっ、はい？」
痩せているその子は、怯えた様子で抱えていた本をぎゅっと握りしめた。
奥にいた別の生徒と天井にいる人が身構えたのが分かった。しかしそれを無視して
『この棚の中で一番カンタンで初歩的な本って、どれですか？』
と尋ねた。
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まる(プロフ) - いおらんさん» ありがとうございます！コメントとても嬉しくて励みになります！ (2019年8月2日 19時) (
レス) id: 3f7caaff83 (このIDを非表示/違反報告)
いおらん(プロフ) - とても話が好みで楽しく読ませてもらってます(^^)更新頑張ってください！ (2019年8月2日 12時) (レス) id: 60ac9a4c80 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 桜ノ夢さん» ありがとうございます！初めての作品なのでとても緊張しながら書いているのでとても嬉しいです。タイトルについてはこれからのストーリーをお楽しみにしていてください！ (2018年11月18日 19時) (レス) id: 3f7caaff83 (このIDを非表示/違反報告)
桜ノ夢 - まるさん！この作品とても面白いですね！私、これ読んだ後、｢ふぅ〜面白かった…な…え！？何この題名！？夢主消えるの！？｣って思いましたから← (2018年11月13日 22時) (レス) id: 3556d0a5e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まる | 作成日時：2018年11月13日 21時
